ちょっとややこしい性の問題
今回は、エロいことを真面目(?)に語っております。下ネタ嫌いな人は、注意してください。
念のため、もう一度書きます。今回は下ネタが多いです。「セックス」「オナニー」などという単語がばんばん登場します。万一、そういうのが苦手な人などいましたら、ここから先は読まないことをオススメします。ただし、内容はきわめて真面目なものです。
私の小学校では、五年生か六年生の時に性教育の時間がありました。担任の教師が真面目な顔で「男性の性器を、女性の性器に……」などと説明しており、途中で笑った私は「先生は大事な話をしているんだ!」と言われブン殴られました。
もっとも、私はその時には既に、セックスがどういう行為なのかは知っていました。おじさんの家には、バートン版『千夜一夜物語』が全巻揃っており、私はそれをちょいちょい読んでいたからです。一応、説明しますと……『千夜一夜物語』とはアラビアを舞台にした摩訶不思議な物語を集めたものであり『アリババと四十人の盗賊』『シンドバッドの冒険』『アラジンと魔法のランプ』などが収録されています。これらの作品は、児童文学として有名ですよね。『アラジンと魔法のランプ』は、某ネズミーランドのアトラクションにもなっているくらいです。
が、原作はかなりエロくて残酷な話なんですよね。性交の描写もかなりありました。黒人奴隷と不貞を働く妻を殺した旦那などという話もちょくちょく登場しており、黒人奴隷の「性的能力」の描写はかなり生々しかったですね。
私は、そんなのを読んでいくうちに……自然と性に対する知識を学んでいたのです。なので性教育などせずとも、セックスがどんなものなのかはちゃんと分かっていたのですね。
ちなみに、原作に忠実な『千夜一夜物語』は、かなり面白かった記憶があります。興味のある方は、一度は読んでてください。創作の参考になると思いますので……私もいずれ、きちんと読み返してみるつもりです。
今なら、ネットなどでもっと簡単に性の知識は入るのでしょうか。まあ、ネットや若者文化にうとい私にはわかりませんが。
話は変わりまして……世の中には、様々な宗教があります。その中には、性的なものに対して潔癖すぎる態度の宗派もあるそうです。「結婚していない男女のセックスは悪だ」「オナニーは罪である」などという教えを頑なに守る人たちもいるとか。
信教の自由は、日本国憲法にて保証された権利です。ですから、これらの宗教の教義を否定するつもりはありません。が、話を聞くと……いろいろ考えてしまうんですよね。
性的なものに対し異様に厳しい態度を取る、カルト系宗教の信者夫婦がいました。その家の息子が中学生になり、エロ本だのアダルトDVDだのといったものを部屋に隠していたそうです。これは男性ならば、ごく当たり前のことです。
ある日、母親が息子の留守中に部屋を掃除しようとして、隠しておいたエロ本やDVDなどを見つけてしまった……これまた、どこの家庭にもあることでしょう。大半の親は、見なかったことにすると思います。それがベストな対応でしょうね。
ところが、件の母親はそれら全てを没収した挙げ句、息子に説教をしたらしいんですよ。「こんなものを見るのは罪だ」などと言いながら……これ、やってはいけないことランキングで確実に上位に入る選択でしょうね。私は教育の専門家でも評論家でもありませんが、これが思春期の少年の心を傷つけることは分かります。事実、息子はグレてしまい、やがて家を出ていったそうです。その後、息子はチンピラになりました。
かと思うと、オナニーがやめられずに罪の意識に苛まれた挙げ句、自殺を試みた少年もいたと聞きました。これまた、親が宗教の信者であったそうです。
さらに、その影響は脱会した後も付きまとうそうです。一般人の異性と上手く付き合えず、セックスが出来ない。それどころか、風俗にも行けないとか。幼い頃から、愛のないセックスは悪だという教えを受けてきた……その影響は、我々の想像以上だそうです。こうなると、逆に脱会しない方が幸せかもしれないですね。
逆に、セックスに対し異様に奔放になってしまうケースもあるとか。セックスは悪……そう教えてきた両親や宗派に対する、一種の復讐なのかもしれませんね。ちなみに、前述のチンピラもこのタイプのようです。
子は、親を選ぶことは出来ません。私は宗教を一概に否定はしませんが、こんな家庭に生まれなくてよかった、とは思います。普通の家庭で、普通に生きるということは……実は、簡単なことではないんですよね。




