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エッセイ書いたんだよ!  作者: 赤井"CRUX"錠之介


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高校時代とおっさん時代

 前にも書きましたが、私は中学生の時イジメに遭っていました。その後、どうにかイジメからは解放され、やがて高校へと進学することとなりました。

 しかし、成績が絶望的に悪かった私は、まともな高校には入れません。そのため、都内でもワーストクラスの底辺工業高校へと行くこととなりました。

 そしたら……周囲にいたのは、ほとんどキチガイばかりでした。何をトチ狂ったのか入学式の最中にケンカをおっぱじめるバカがいるわ、式が終わると同時に制服姿でタバコ吸い出すアホがいるわ、私は頭を抱えてしまいました。何というところに入ってしまったのだろうか……と。

 ちなみに都内の底辺工業高校あるあるですが、本当にバカな奴は一年の一学期の間に姿を消します。校内で堂々とバカやらかして退学になるか、あるいは夏休みが終わると来なくなるか。とにかく、うちの学校では二学期が始まると、三分の一くらいの生徒が消えていました。

 さらに付け加えますと、これは私のいた学校だけではありません。都内にある某○山工業高校は当時、四年の間に二百人の退学者を出していたとか。したがって、漫画『ク○ーズ』や某エッセイに登場するような底辺工業高校などは、実際にはありえないと思って間違いないでしょう。


 話を戻します。当時の私は、常にビクビクしておりました。もともと小心者でありイジメられっ子の過去を持つ私は、ナメられまいと気を張っていました。また「俺は空手の黒帯持ってるぜ」などと大嘘をつき、ケンカになるのを事前に避けていたのです。

 そのくせ、ヤンキーたちを上から目線でバカにしており、他の生徒たちのこともボロクソにけなしていました。自分は何も出来ないくせに、何もしないことで小さなプライドを守っていたのです。まあ、最悪のガキでした。もしタイムマシーンがあったら、その当時に戻って行って殴り倒したいですね。

 全ては、私の弱さが原因です。その弱さを周囲に悟られたくないために、何もせずにクールな態度で「みんなバカばっかりだぜ」などとほざいていたのです。

 

 


 そんな私も、気がつくとおっさんです。おっさんになると、ろくでもないことばかりです。体のあちこちにガタが来ますし、やらなくてはならないことも増えます。さらに若い時と比べ、出来ないことも増えました。

 それでも、いいこともあります。そのひとつが、若い時と比べると面の皮が厚くなったことです。高校生の頃に比べれば、確実に打たれ強くはなっています。

 しかも、これは打たれ強くなろうとして努力したわけではありません。年を重ねるにしたがい、自然と身に付いたものです。

 言うまでもないことですが、この現象は私に限ったことではありません。年を重ねれば、人は誰でも自然と面の皮が厚くなっていきます。また、打たれ強くもなります。特に、おばちゃんの打たれ強さは……私など、比較にすらならないですね。

 若い時は、いろいろ悩むこともあるでしょう。他人からの心ない一言にへこんだり、性格的な問題ゆえにくよくよ悩んだり……悩んだ挙げ句、将来を悲観し自殺してしまう人もいます。

 そんな若い人たちの自殺のニュースなど見ると、私は切ない気持ちになるんですよね。もっと肩の力を抜き、日々の生活で生じるであろう悩みなんかを、どうにかやり過ごして欲しいんですよ。一日一日を、なんとか凌いでいって欲しいです。

 そうやって生きていれば、誰でもいつかはおっさんおばさんになります。そうなれば、確実に打たれ強くなっています。それがいいか悪いかは別にして、生きやすくなるのは確かです。いつかは、若い頃に悩んでいたことを笑いながら振り返る日も来ます。

 ですから、おっさんおばさんになるまでは、とにかく生きていて欲しいんですよね。四十過ぎて無職で「暇だなあ」などと言ってるおっさんなんか見ていると、つくづくそう思います。









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