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令嬢たちのざまぁコレクション(大体一話完結/短編集)  作者: リーシャ


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05 鑑定令嬢のジスシスト・リベンジ。すべての財産を差し出せば都市の最下級の鉱夫として雇って差し上げます

追放/スキル

 伯爵令嬢のジスリアは触れたものの真価を見抜く真贋鑑定という特別な力を持っていた。婚約者は公爵家嫡男のアルノルト。彼は力を使って家宝の鑑定を任せている。ある夜、アルノルトは夜会の舞台に呼び出した。


「ジスリア。お前との婚約を破棄する」


 隣には、男爵令嬢のイブがいる。アルノルトに渡された古びた銀の指輪を見せた。


「指輪はジスリア様が価値のない偽物と鑑定したものですよね?」


「そうだ!だが、私の知る高名な鑑定士は、これが伝説の魔力を秘めた至宝だと証明した!家の宝を偽物だと偽り、本物を盗むつもりだった悪女だ!」


 もちろん、これはイブとアルノルトが仕組んだ罠。鑑定は正しく、指輪は銀の塊だった。しかし、イブが用意した偽の鑑定書とアルノルトの勝手な思い込みで、誰も言葉を信じない。


「私は真実を」


 訴えるもアルノルトは冷たく言い放った。


「黙れ!真贋鑑定の力は、今日をもって偽りの力とする!最北の寒村へ追放し、一生、石の価値を測る作業を命じる!」


 自分の能力を否定され、すべてを失った始まりだ。追放された北の村は雪深く、作物が育たない貧しい場所。村の主な仕事は山から採れる普通の石を掘り出すこと。絶望しなかった。誰にも奪えない真贋鑑定の力があるから。


(普通の石を掘る?力を使えば真の宝物を見つけられる)


 村人が掘り出す大量の石の中から、ひっそりと真贋鑑定の力を使う。

 すぐに気づいた。村で採れる普通の石の中に実はダイヤモンドやルビーの原石が、ごくわずかだが含まれていることを。

 村人に普通の石と宝石の原石の見分け方を教えた。最初はいぶかしがっていた村人も、宝石が高値で売れるようになると奇跡の鑑定師として心から尊敬し始めた。

 数年後、寒村は力で掘り出された宝石によって大陸一裕福な鉱山都市へと変貌した。都市の事実上の女王となっていた。


 一方、王都では、アルノルトがイブと結婚していた。しかし、至宝だと信じた指輪は、やはり銀の塊で、何の魔力もなかった。イブは贅沢ばかりして公爵家の財産を使い潰し、家は傾き始めていた。


 アルノルトは、家を立て直すために噂を聞いた北の宝石都市に助けを求めに行くことにした。自分が追放した寒村で彼は信じられない光景を目にする。

 豪華な宮殿、輝く宝石、玉座に座り、見下ろす威厳に満ちた姿。


「ジスリア…君が…?」


 偽物だと断罪した指輪と同じ形の、巨大なダイヤモンドを乗せた鑑定台を指で叩いた。


「ようこそ、アルノルト公爵。都市のルールは偽物には価値がない、です」


 言い放った。


「あなたとイブがした偽りの鑑定の報いです。あなたたちの持つすべての財産を差し出せば、都市の最下級の鉱夫として雇って差し上げます」


 自分が手放した本物の至宝が、力によって生み出されたことに気づき、膝から崩れ落ちた。偽りの愛と偽りの鑑定を下した男に真実の価値を見せつけてやったのだ。

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