もふもふ
うるりんはごく普通の小型犬である。毎日散歩に行って、毎日お手をする、齢4の小型犬である。今日も今日とて、ドッグサロンでシャンプーをしてもらった帰りに、行きつけのコンビニ前でご主人様の帰りをお座りして待っていた―――のだが。
キキィイイ!!キイイイイイイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。うるりんの魂と、女神が対面している。
「うるりんさん、あなたは気の毒ですが犬生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「きゃん。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
うるりん(4)
レベル2
称号:転生犬
保有スキル:もふもふ
HP:3
MP:150
「きゃん!!きゃんきゃん!うー!!!」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が小型犬の前に現れた!
「きゃん!!きゃんきゃんきゃん!!」
威嚇する、小型犬。
スライムは小型犬に襲い掛かった!捕食しようとしたとき、あけた口に、ふわふわの小型犬の毛がもふもふっときた!スライムは、もふもふの魅力に取り付かれてしまった!スライムは触手を出して、小型犬をもふもふし始めた!もふもふ、もふもふ、もふもふ、もふもふ…小型犬はおとなしくもふられている!なんと言うしつけのなっている小型犬だ!!スライムは大喜びで小型犬を連れて旅に出ることにしたが、草原から山肌に突入したあたりで、野良ベヒーモスに追突されて仲良く一緒に絶命した。
「くん、くーん、きゃんっ!!」
小型犬は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口でご主人様を待っていた。コンビニに入る前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
小型犬はコンビニ前でおとなしくご主人様の買い物が終わるのを待ったあと、家路についた。家の近くのコンビニで、車の暴走事故が発生していた。
「きゃん!きゃん!きゃん!!」
小型犬は、そのもふもふ具合からみんなにもふもふされて可愛がられ続け、14歳でこの世を去ったあとも動画でご主人様を和ませ続けているとのことです。




