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☆いきなり転生☆  作者: たかさば


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127/174

絵本読み聞かせ

井出真紀子はごく普通の図書館司書である。毎日破れた本の補修を行い、毎日おすすめ図書コーナーを盛り上げる、齢32の図書館司書である。今日も今日とて、館内で走り回る小学生男子を注意した後、行きつけのコンビニでゼムクリップと6Pチーズを買って帰路についていた―――のだが。


ギギギュ―――ギギキュキュキイッ!!ギュイイ!!!


ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。



真っ白な空間。井出真紀子の魂と、女神が対面している。


「井出真紀子さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」

「はあ。」


「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」



井出真紀子(32)


レベル9


称号:転生者


保有スキル:絵本読み聞かせ


HP:23

MP:80


「というわけで、いきなり草原に放り出しちゃうわけね、うーん、どうしたらよろしいかしらね…。」


べよん、べよん。

水色の、ぶよぶよした丸い塊が図書館司書の前に現れた!


「わわっ!スライムっう?!こここ、こういう時なに、どうするの?!」


うろたえる、図書館司書。


「そうだっ!保有スキル!絵本読み聞かせ?!ちょっとまってよなに読んだらいいのかっ!!」


うばほん!!!


図書館司書の前に絵本の棚とスツールが現れた!スライムは何を読んでもらえるのかワクワクしている!図書館司書はネズミの仲良しがおいしいものを作る絵本を手に取ってスツールに腰かけ、読み聞かせを始めた!


大きな卵を見つけた仲良しネズミが、森のみんなとカステラを作って食べるお話に、スライムのおなかがぐうと鳴った!


図書館司書はやらかしがちな象が子供たちと仲良く遊ぶ絵本を手に取ってスツールに腰かけ、読み聞かせを始めた!大きすぎるビスケットを焼いて怒られる象のお話の部分で、スライムのおなかがさらにぐうと鳴った!


スライムはおなかがすき過ぎたので、目の前の図書館司書をぺろりと食べてしまった!図書館司書は読む絵本を間違えたと思ったが、後の祭りだったという。



「う、うーん???なんか夢でも見ていたような??」


図書館司書は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。


図書館司書はコンビニでゼムクリップと6Pチーズを買って帰路についた。自宅近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。


「あと少々早く通りかかってたら借りてる本の期限過ぎちゃってたよ!」


図書館司書は、毎週書いているホワイトボードのおすすめ本のレビューがあまりにも独創的かつ熱狂的さらには長文だったため、非常に見にくいというクレームを受けてしまい相当凹んだのですが、レビューをまとめて冊子にして配布を始めたところ思いのほか好評で、いつの間にか固定ファンがついてしまい単行本として発売することになりそれが売れに売れてあれよあれよという間にレビュー作家として名をはせるようになったものの、定年まで図書館司書として勤め上げたのち81歳でこの世を去ったという事です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 127/127 ・確かにおなか空いてしまう。 ・嵐の夜の羊と狼の友情ストーリー読めば助かったかもしれない [気になる点] ぐりとグリグリは分かりましたけど、象のほうは何でしたっけ? […
2020/06/23 15:55 退会済み
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