ずっと好きなんだからね!
熊谷聖子はごく普通の失恋ほやほやである。毎日別れた彼を想い、毎日私の何がいけなかったんだろうと泣く、齢18の失恋ほやほやである。今日も今日とて、自分がいかに彼を好きだったのかブログに読者がドン引きするくらい書き込んだあとコンビニでウォータープルーフマスカラと梅おかゆを買って家路についていた―――のだが。
ギュウギュキュギュイッ!!キュギュキキキキイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。熊谷聖子の魂と、女神が対面している。
「熊谷聖子さん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「はあ。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
熊谷聖子(18)
レベル3
称号:転生者
保有スキル:ずっと好きなんだからね!
HP:15
MP:3
「かんちゃん・・・。」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が失恋ほやほやの前に現れた!
「かんちゃん、あたし、かんちゃんの事、ずっと、ずっと好きなんだよ?!う、う、うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」
何この子、ちょーヤバイ!!!スライムは逃げ出した。
泣き叫ぶ失恋ほやほやのもとに、かんちゃんに変化した羅刹鳥が現れた。
「かんちゃん・・・。」
失恋ほやほやは、羅刹鳥ににつつかれて絶命したが、その顔はとても幸せそうだったという。
「う、うーん???あれ??」
失恋ほやほやは時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
失恋ほやほやは行きつけのコンビニでウォータープルーフマスカラと梅おかゆを買って家路についた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。
「かんちゃん…。」
失恋ほやほやは、ずいぶん悲しみにくれましたが体調を崩して入院した先で元カレにキモいと言われて我に返り、誰かに頼りっきりだった生き方を変える決心をして努力を重ね、立派に独り立ちすることができたものの恋をする勇気が出ないまま年を重ねていたのですが、ある時たまたま隣り合って酒を酌み交わした男性と意気投合しそのまま伴侶として長い年月を過ごしたのち静かにこの世を去ったという事です。




