クリーンリネスタイム
宮沢みずほはごく普通の清掃員である。毎日店の掃除をし、毎日床を磨き上げる、齢48の清掃員である。今日も今日とて、明日使うモップをすべて干し終わった後コンビニで洗口液とレアチーズケーキを買って家路についていた―――のだが。
ギュキュギュイッ!!キュキキキキキイ!!!
ドガ――――――――――――ん!!ぐわしゃぁああ!!ぶちゅ。
真っ白な空間。宮沢みずほの魂と、女神が対面している。
「宮沢みずほさん、あなたは気の毒ですが人生を終えてしまいました。転生してもらいます。」
「はあ。」
「あなたにはチートをお一つ差し上げます。ステータスをご確認ください。」
宮沢みずほ(48)
レベル20
称号:転生者
保有スキル:クリーンリネスタイム
HP:18
MP:16
「というわけで、いきなり草原に放り出された、ええ、どうしようか・・・。」
べよん、べよん。
水色の、ぶよぶよした丸い塊が清掃員の前に現れた!
「えっ?!スライムよねこれ!武器?どうしよう、何もないよ?」
うろたえる、清掃員。
「そうだ!保有スキルを試してみたら…クリーンリネスタイム?」
うばほん!!!
清掃員のいつもの仕事道具が現れた!辺りにクリーンタイムの音楽が流れる!さあ!お掃除の時間が始まった!
「あら、よく見るとこのスライム、表面が汚れているじゃないの。モップで拭いてみようか…。」
清掃員はモップでスライムの表面をごしごしした。
!!!零れた牛乳拭いたモップがめっちゃクサい!こんなんで拭くなよ!!せめて乾いたタオルで拭けやああああ!!!怒り狂ったスライムはがぶりと清掃員を頭から捕食した。スライムは四日後に雨が降るまで、ずっと臭いままだったという。
「う、うーん???あれ??」
清掃員は時間を巻き戻されて、コンビニ入り口前に立っていた。コンビニ前で立ち止まる前に、ちょっとだけ時空がゆがんだのだが、それに気づく様子はない。
清掃員は行きつけのコンビニで洗口液とレアチーズケーキを買って家路についた。家の近くの交差点で、車の暴走事故が発生していた。
「あとちょっと早く通りかかってたらひかれてたよね、怖いなあ、ほんと気を付けないとねえ…。」
清掃員は、毎日汚れた場所をきれいにしていましたが汚れ切った人たちの心ない言葉で少し心が折れてしまい、だんだん磨き上げることに誇りが持てなくなったため転職をしましたが、ついつい今までのくせで職場を磨き上げてしまったことで企業内の雰囲気が良くなり、たくさんの人たちに感謝された後65歳で人生を終えたとの事です。




