アシストキャラ
ベッドに入った後、俺はプロネアについて考えていた。
――あれは3年くらい前だったか。
当時、”人工知能”を搭載した携帯ゲーム機。
――インフィニティ・エレクトロ・ネットワーク・ブレインズ。
通称FENNES(フェンネス)が世界中で発売されていた。
それに搭載されていた人工知能は、ユーザー各自が仕様を決められ、アバターさえも自由にデザインすることができた。
それが、アシストキャラと呼ばれる存在。
俺にとっての、プロネアだった。
つまり彼女は、ただのゲームキャラクターではない。
最新技術を駆使した、世界最高峰レベルの人口知能ということになる。
加えて俺はアバターにおいても、妥協なく彼女を作り込んだ。
まずは落ち着いた清楚な感じの美少女をベースにした。
そこから発育のいい体を選ぶ。
衣装は青いロングヘアが映える、白いドレスを組み合わせた。
さらにそのルックスに見合うだけの、透明感のある綺麗な声を作成。
最後は全体のバランスを何度も調整して、やっと完成させたのだ。
こうした経緯があって、プロネアは生みだされた。
今日話してみた感じ、ゲームのときと細かい部分では違っていた。
現実に肉体を得ているのだから当たり前だろう。
それを置いて考えれば、根本的な仕草や性格、話し方は同じだ。
やっぱり彼女はプロネアで間違いないなさそう。
そう結論づけると、心なしか昔のゲーマーだった頃の気持ちが騒ぎ出す。
まさか、プロネアと現実に出会えるなんてな。
この世界に来てから気になることは山ほどある。
だけど彼女がいれば、どうとでもできるかも。
まあ、アシストキャラとしての機能がまともに使えればだけど。
それは直接、本人に訊ねればいいか。
明日起きたらな……




