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第五十二話 俺だけが海水浴

「のあーーーっ」


 ビーチに着いた俺は驚いた。

 こ、この方達はいったい何を考えているのだー。

 そうか、女ばかりだと、大胆に出来るのか。

 ミサも坂本さんも、大胆な水着をきている。


 ――みっちゃーん、荷造り用の紐が、ミサさんの体に巻き付いていますよー!


 くらい、すごい水着だ。隠れているのか隠れてないのか、俺には判断が出来ない。何と言っても、ミサはふーじこちゃーんみたいな、ダイナマイトボディーだ。

 直視することが出来ねー。

 坂本さんは、ミサほど激しくないが、赤いビキニで露出度が多い。

 髪がショートで、スレンダー美女の、赤い水着は似合いすぎる。


 愛美ちゃんは、スクール水着だ。

 これは、これで……。

 おじさんは見ないように致します。


 なーーーっ。

 アメリは、星条旗の模様の水着だが、ミサより紐だ。

 胸は、小さなパチンコ玉くらいの布が付いているだけで、丸見えじゃねーか。


 よっ、幼女がこれでは、警察に捕まるぞー。

 と、思ったら、この人は二十歳以上、法的には大丈夫でしょう。

 一応隠れていることは隠れているし……。


 まあ、おじさんはなるべく海を見つめて、見ないようにした。

 全くこんなものを見せられたら、海に入るしかありませんよねえ。

 俺は走って海に飛び込んだ。


「あっ!?」


 全員が驚きの声を出した。

 俺が海の中でバチャバチャしていたら、尻に違和感がある。

 振り返って見たら、でかいサメが噛みついていた。

 まわりを見たら、サメでいっぱいだ。


 皆さんが驚いた意味がわかりました。

 海が豊かになっている証拠なのでしょうかねえ。

 サメの巣のようになっている。

 俺は、尻に一匹つけたまま、空中に飛んだ。

 そして体を回転させて、お尻のサメをビーチに飛ばした。


「きゃーーーっ」


 水着の美女達から悲鳴が上がった。


「それって、晩ご飯にならないかなー」


「無理ーーー!!」


 全員が無理だと言っているので、ビーチに戻って海に帰してやりました。


「しかし、水がきれいだねーー!!」


「本当に!」


 海の水は、本当にすきとおって綺麗だ。

 サメの黒い影もよく見える。

 小魚もいっぱいいる。

 人間がいなくなって、まだ一年もたっていないのに、海は過去の自分を取り戻しているようだ。


 俺がボーッと海を見ていると、全員が俺のまわりに集まってきた。


「あのさあ、泳げないのに水着は不要だろ、着替えて欲しいのだけど」


「うふふ。そうね、目的は果たしましたし、着替えましょうか」


 あずさとシュラ以外はUFOに戻っていった。

 あずさは、収納魔法でしまってある、メイド服を出してそのまま着ている。


「しかし、海にも入れないのに、水着になる必要があったのかー?」


 俺はあずさに聞いたのだが、あずさはニコニコしているだけで、じっと遠くを見つめている。


「お待たせ!」


 ミサが、白いワンピースで横に来た。


「遅くなりました」


 坂本さんと愛美ちゃんが少し遅れて来た。

 この二人も白い服を着ている。


「遅くなったでしゅ」


 アメリも白い海兵のようなセーラー服を着て、長い金髪を風になびかせて、俺の前に来る。そして振り返り、上目遣いで見上げてきた。

 海に負けないほど全員美しい。


 ちぇ、醜いのは俺だけじゃねーか。

 なんだか、疎外感を感じた。


 ビーチで、そのまま食事の用意をして、野外で食事を楽しんだ。

 アメリは、うな重を出してもらい、美味しそうに食べている。

 食事を楽しんでいると、あたりがオレンジに輝きだす。

 水平線に太陽が沈み始めている。


 なんだか、自然の造り出す風景がとても美しい。

 俺は、人生の中で、こんなに自然の風景をのんびり見た事が無い。


 ――いいもんだなあ


 なんだか、しみじみそう思えた。

 爺さんに近づいている証拠なのだろうか。

 食事を楽しんでいる、女子を放置して、砂浜に座り込み太陽が沈んでいくのをずっと見つめた。


「とうさん、ずっと何をしているの?」


 あずさは食事が終ったのか、俺の横に来た。


「こうしていると、なんだか、隕石騒ぎが無かった事のように感じる。日本に戻ると、東京の街は大勢人がいて、山手線は満員で今日も運行しているのじゃ無いかなと、思えてくる」


 俺はゴロンと横になった。

 しっ、しまった。

 何の気無しに横になったが、この位置だと、あずさのスカートの中が丸見えだ。


 でも、大丈夫か。あずさは水着だからね。


「本当ね。ここで水平線を見ていると、何もかも忘れてしまうわ」


 俺の頭の上にミサが来た。

 そっ、その位置は、ダメだろう。

 ミサの白いスカートの中が丸見えになった。

 とっさに目を閉じた。み、見てもいいのか。

 どうせ、ミサは心を読んでいるはずだ。

 それとも読んでいないのか。


 俺は目を開いた。


 ――おーーーい!!


 目を閉じている間に、全員が俺の周りにいる。

 全員のパンツが目に飛び込んできた。

 ミサの黒、坂本さんの赤、アメリの水色、あとは白が見えてしまった。

 俺は、「見えてるぞー」心で叫んだ。

 ミサは恥ずかしそうに顔が赤くなった。


 やっぱり、心を読んでいる。

 まさか、ミサはわざと見せているのか。

 そんなことあるわけないわな。

 俺は、そっと視線を外した。


 太陽が沈むと、星があり得ないほど、輝きだした。

 この島にも人工の光が無い。

 プラネタリウムのように星がしっかり見える。


「これが、天の川かー」


 俺は、自分の目で初めて天の川を見て感動していた。

 何故か、全員が俺のまわりに座って星空を見つめている。


「私の故郷の星はあれでしゅ」


 アメリが指をさした。


「えっ!?」


 全員が驚きの声を上げた。

 アメリって宇宙人なのー!?

 俺はてっきりアメリカ人だと決めつけていたよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 皆の水着を楽しんだ木田さん。 そして近づいてきた梓ちゃんといい感じかと思っていたら皆がやってくる。 そしてアメリちゃんが意外なことをいいだした! う、宇宙人……だと?
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