いいえ、彼のことではありません。
スライムと俺は、同じ日本人で異世界に転移転生したもの同士ということで意外に話があった。
聞くとスライムは、前世の意識が戻ったのが二年ほど前だそうで、それから今までずっと森に潜んでいたそうだ。
「そうかあ~、ボクはスライム作り過ぎだったんすねえー。
あなたに言われるまで気づきませんでしたよ。
確かに、風呂の中を全部スライムにしてその中に入浴とか色々とやっちゃいましたからね(笑)」
「あっ! 見た見た、その動画。あの後、スライムをどうしたのか、凄く気になったんだった」
「あれはですねえ、業者に頼んで全て廃棄してもらったんですよ。
どこに捨てるのか聞いたら、富士の樹海にいい所があるんだとか。
まあ、おカネさえ払えばどうとでもなりますから、この世の中」
「富士の樹海って思いっ切り、不法投棄じゃないの?!
それは神様に罰を与えられてスライムになっちゃうのも頷けるわっ!!!」
「あははは(笑)
まあ、その時は再生数が伸びればおカネが入るんで、後のことなんて何にも考えてなかったんですよ」
そんなたわいのない会話をして、転生スライムとはすぐに仲良くなった。
「さてと、そろそろあいつらの所に戻らないと心配させちゃうから行かなくちゃな」
俺がそう言うと、急に静かになったスライムが何だか寂しそうに見える。
「そうですか。仲間がいるんですね……。
うん。
今日は、ありがとうございました。
久しぶりに日本の話が出来て、とても嬉しかったです。
これからもお仲間と一緒にどうかお元気で」
一方的に別れの挨拶をされた俺は、不思議な顔をした。
「……。何を言ってるんだ?
あんたも一緒に来れば良いじゃないか」
すると、スライムには表情なんてないのに何故か俺には、涙を流して喜んでいるのがわかった。
他の二人とは、森の中の一本道で待ち合わせをしていた。
森の茂みの中から俺が姿を現すと、二人はすぐに俺に気が付く。
「悪いな。待たし…」
俺が言い終わらない内に突然、オリビアの姿が消えた。
そして、ゴウという凄まじい突風と共に俺を通り過ぎたオリビアが後ろに現れる。
「シュッ!!!」
オリビアは鋭く呼気を吐き、その足元にいた何かを鋭く蹴り上げた。
バッシャ――――ンッ!!!
そこにいて今、破裂したのは……、
俺「ひっ、ひか・きん――――っ!!!!」(←ひらがなです)




