仕事が欲しいか? ならばくれてやる
『ヘローワーク』と書かれた看板を掲げる建物は、よりにもよって俺達の止めた馬車の目の前にあった。
そこは、ちょうどラノベに出てくる中盤の冒険者ギルドくらいの大きさ。
「くそっ!
こんな真ん前にヘローワークがあるなんて、今までの苦労(三話分)は一体何だったんだよ?
まったく、もう!!!」
俺は、愚痴をこぼしながらそこの木製の扉を開ける。
すると、その開けた扉の真ん前に何かが呆然と立っていた。
大きな丸い耳に赤いパンツをはいた黒いネズミの着ぐるみ姿。
あせった俺は、開いたドアを直ぐ閉めた。
「いや、いや、いや、これは流石に駄目でしょう。
これを出したら絶対に『なろう』の運営さんも黙っちゃいないよ!
今のは無しで、なかった事でお願いしますっ!!!」
誰にお願いするわけでもなく、祈る気持ちで呟いた。
だが、そんな事はお構いなく、今度は向こう側の黒いネズミから扉を開けてきた。
「どうしたんだい? 仕事が欲しくないのかい?」
その声はいつも聞いてたキンキンの高い声である。
「いや、仕事は欲しいんだけど、その、あんたの存在そのものが……」
「僕のこと?!
ハハッ!(笑)
そんなの気にすることないさ。
だって、こんな小説、誰も読んじゃいないんだから」
「うわあああ、ダメダメ過ぎるっ!!!
これは、女神以上に厄介なキャラだぞっ!!!
もう、二ヶ月間も毎日投稿してたのが全部無駄になっちゃう!!!」
「ハハッ!(笑)
そんな事したって無駄さ。どうやったって全然、面白くないんだから。
まあ、そんな事を言ってないで、取りあえずこの夢の国にお入りよ」
そう言うと黒いネズミは、俺の腕を掴んで強引に建物の中に連れ込んだ。




