まさかのお母さん登場!!!
肉屋を出ていく時に店主のブタから浴びせられた罵声。
「お前のような子供の小遣いを掠め取る大人、反吐が出るわ!!!
ヘローワークに行って仕事を探す人間の方が百万倍立派だ!!!
彼らを見習わんかいっ!!!」
俺は心が傷付き、中央広場の噴水の縁に座って落ち込んでいた。
「まあ、勘違いだったんだからしょうがないじゃないですか。
別に本気で子供からおカネを巻き上げようとした訳じゃないんですから。
ただ、その子を拷問して女神のわたしにどうしてもお布施がしたいって言わせればこっちのものですけど」
「そんな恐ろしいこと出来るかっ!!!」
ちいさい子供に何をしようとしてるんだよ、お前は!
そっちの方がよっぽど心が痛むわ!」
と言いつつ俺はある単語が頭の中に引っ掛かった。
「あれ? そう言えば、あの肉屋のオヤジ、『ヘローワーク』って言ってなかった?」
「ええ、そうですね。帰り際、確かに言ってました。
『ヘローワーク』と言えば、職のない人に仕事を紹介してくれるところですね。
でも、それが何か?」
「おいっ、おいっ、おーいっ!!! お前は本当にバカなのか?!!!
俺達はおカネを稼ぐために、仕事を紹介してもらおうとしてるんだよ」
「はい、わかってますけど、『ヘローワーク』は『ギルド』とは呼びませんよ?
バカは、ダーリンの方じゃないですか?」
「まあ、そうなんだけど。その通りで俺が悪いんだけどさ。
まさかストレートに『ヘローワーク』が出てくるとは思ってないわけよ。こっちは」
「自分が悪いことしたら何て言うのかな?
お母さん、ちゃんと君から聞いてないんだけど」
「くっ! 誰がお母さんやねん!
でも、散々と連れまわしてしまったからな。
仕方がない。一応、謝ってやるよ。
ヘローワークがあるとは知らず、どうもすみませんでした」
「うん、いいでしょう。あなたの全てを許します。
まあ、わたしは、初めから分かってたのですけどね」
「わかってたのなら言ってくれよっ!!! このバカ女神っ!!!」
そして、俺達は今度は『ヘローワーク』を探し始めたのだが、聞いた一人目であっさりと場所が分かった。
そこは、ここ。町の中央広場にありました。




