誰も知らない聞き込み調査
俺と女神は、オリビアを馬車に残して『ギルド』について聞き込み調査を開始した。
道を行く人、開いているお店、遊んでいる子供など、種族は問わず異世界人達へ手当たり次第に声を掛ける。
そして、『ギルド』と言う言葉に心当たりはないかと聞いてみた。
だが、答えは決まって「知らない」の一言。
「はああああ~」
大きなため息をついて、俺は噴水の縁に座った。また、元の中央広場へと戻ってきたのだ。
続いて女神も俺の横にちょこんと座る。
「これだけ聞いても誰も知らないなんて、やっぱりこっちの世界にはないかもですね」
「いや、俺はこっちの世界だからこそ必ずあると思ったんだけどな」
傷心して諦めようかと口にしようとした時、遠くから五人の異種族の子供たちがこちらに駆け寄って来た。
「おじさん達、まだ『ギルド』のこと探してるの?」
聞いてきたのは一番背が高い半獣の子供だ。シベリアンハスキーの子犬にちょっと似てる。
そう言えば数時間前、ギルドについて尋ねた一人だった。
「ああ、探してるよ。だけど、もう諦めようと思ってたところさ。
あと俺は、まだお兄さんだからな。そこんトコロ間違えるなよ、モフモフ坊主」
俺は、大人は恐いが、弱い子供にはとことん強気なのだ!
「ふーん、俺達にそんなことを言っていいのかな?
せっかく、『ギルド』の情報を持ってきてやったのに」
この言葉に驚きと希望が湧き上がる。
「えっ?! 本当に?
これはどうもすみませんでしたね。坊ちゃん。
で、その情報ってのを聞かせて貰えませんでしょうか?」
俺は、弱みを握られたら子供であろうがどこまでもへりくだるのだ!
シベリアンの半獣子供は、ちょっと不服そうな顔をしたが、「仕方ねえな」と言ってから他の小さい男の子に顎で合図をだした。
「えっと、おじさん達が探してるのは『ギルド』でいいんだよね?
それだったら、青空市場のお肉屋さんで聞けばわかると思うよ」
俺と女神は、その店が具体的にどこにあるのか聞いて、その男の子にお礼を言った。
しかし、シベリアン子供はそこから離れようとはせず、代わりに手を差し出して来た。
「あのさあ、おじさん。礼なんて要らないからカネくれよ。情報料」
こっ、こいつっ!!!
そのずうずうしさに一瞬ムカッとしたが、ここは大人の俺様だ。
怒りを静めてこう言った。
「俺達は、カネを一銭も持っちゃいないんだ。
だけど、お前たちに良いことを教えてやろう。
情報には、情報をってやつだ」
俺は、ある情報を子供たちに教えてやった。
それを聞いた子供たちは、興奮して喜びまくりながらここを離れて行った。
それから数日、子供たちの間で秘密裏に噂が流れた。
中央広場に止まっているどこかの馬車を覗くと、若い女性の裸が見られるのだと。
オリビア「ハックション!」




