砂漠の果ての衝撃
シリーの充電が無くなってしまった為に、GPSによる目的地が分からなくなってしまったが、太陽の位置と自分の影の長さで、今まで向かっていた大体の方向が分かると言うオリビア。
俺達は、その方向感を頼りに進むしかなかった。
三日目の夜が明け、砂漠を歩き出してから3時間ほど経った時、遠い砂漠の地平線に一本の木が生えているのが見えた。
その木に近づくにつれて、一本また二本と木の数は増えてゆき最終的にそれが森であることを知る。
つまり砂漠地帯を克服したのだった。
「危なかった。ギリギリのところだ」
俺は、森に入ると直ぐにその木陰に入り込み、そう言いながら座り込んでしまった。
「ああ、確かにな。
もう、食糧は尽きて女神さまの聖水も生成出来なくなっていたから、あと半日、砂漠を歩いていたら持たなかっただろう。
私も何度も砂漠を旅したことはあったが、ここまで限界に近かったのは始めてだ」
「すみませんでしたね。聖水が作れなくなってしまって。
聖水は、わたしのMPと空気中の水分で生成するのですが、あれだけ乾燥していると使用するMPも膨大になってしまって女神のわたしでも底をついてしまいました」
「いえ、女神さまの聖水が無ければ確実に私達は死んでいたでしょう。
感謝こそしますが、謝られることなんて一つもありません。
本当にありがとうございました」
「あらあら、そう言っていただければ幸いです。
本当は、砂漠の真ん中に出現した時に『空間転移魔法』で人里に出れば良かっただけなんですけどね。
てへっ(笑)」
「「えっ?!」」
俺とオリビアは、耳を疑った。




