待ってましたの異世界ハーレム2
「別にあんたが可哀想になった訳じゃない。
その、何だ。
私が寒いからだ」
そう言って俺と背中合わせに寝転んで来たのは、オリビアだった。
どうやら先ほどの寝顔は狸寝入りしてたらしい。
自分が寒いと言ってはいるが、背中に伝わる熱は人肌以上のものを感じる。
ありがたい。
俺は、心の中からそう思った。
これだけ暖かくなれば、何とか眠ることが出来るだろう。
すると今度は、気が付くと、俺の目の前に呆然と女神が立っていた。
「わたしは、うーん、寝相が悪いのです。
気が付いたらこんなところまで転がって来てしまいました」
そう言うと、俺の懐に体を丸めてひょいと入り込んで横になった。
寝相の悪さを宣言してから転がってきたってどういう事なんじゃい!
でも、その行為は本当にありがたかった。
体の前には女神の背中が、後ろにはオリビアの背中が、寒い気温の中で優しく暖かい熱を伝えてくれる。
おかげで体は暖まり、震えは止まり、指も和らいだ。
だが、俺は、心の中ではこう思っていた。
「よしっ!!! やっと来た! 異世界生活っぽいハーレムイベント!
そうそう、そう何だよ。俺は、こういうのを待っていたんだ~。
ああ、そうか何てことだ。
女の子が柔らかいって本当のことだったんだね。
あと、何だか分からないけど、とってもいい匂いがする。
これが、女の子なんだね。
フィギュアでは、知りえる事の出来ない真実がここにある。
あんな人形のパンツを見て、俺は何であんなに喜んでいたのやら。
今、昔の俺に、これが本物の女の子なんだよと伝えてやりたいよ(涙)」
こんな思いにふけっていると、女神がさらに背中を押し付けてきた。
「ん? 何だこれ?
もしかして、俺を誘っているのか?」
ふと見ると、俺の右手が女神のお尻にちょうど触れるか触れまいかのギリギリの位置にいるのがわかった。
俺は、何となく、手のひらで少しだけお尻を触ってみた。
すると突然、女神がゴロンとこちらに体を転がして俺と顔を向き合わせた。
「今、お尻を触りましたよね」
「う、うん」
「責任をとって下さい」
「……、うん」
「こうして、『僕たち』、『私たち』は、結婚しました」




