ごはん
その後、これからの方向性に関して話し合いをしたが、結局は三人一緒に行動して、誰も死なないようにするという結論だった。
「では、そろそろ食事にいたしましょう」
女神は、笑顔で話をかえた。
「食事って、ここには砂しかないだろうよ。
あるとすれば、この死んだ巨大ワームくらいしか……って、まさか?」
「ええ、そのまさかです。
このワームを食べてしまいましょう」
そう言うと女神は、巨大ワームの爆発で出来たクレーターの表面を歩きながら何かを探し始めた。
「うーん、ここはちょっと違うかな?
ここは、色が濃すぎるし止めた方が良さそうね」
ブツブツ独り言を言いつつ、品定めしていると……。
「あっ! あった。ここら辺がいいかもしれない。
すみませんが、オリビアさん。ここら辺の半透明の部分を掘ってくれませんか?」
呼ばれたオリビアが、女神の指す部位を手ですくうと、あっさりと白濁色の身が剥がれた。
「次は、あなたです。
魔法『ファイアーボール』を使って、この身を焼いて下さい」
「えっ?! おれ???
魔法って、まだ使ったことがないんだけど?」
「簡単です。イメージして、魔法言って、ドンッ! です」
「えっ?! そんな簡単なの?
ラノベやアニメだと、師匠がついて何年も修行してるんだと思ったんだけど……。
まあ、いいか。とりあえずやってみるか」
俺は、イメージして、ファイアーボールと言ったら、ボッ! と火球が手のひら上に現れた。
「わっ! 超簡単。
主人公の修行も成長もねえな」
そのまま、火をつけたまま、オリビアの持つワームの肉片を炙る。
すると、身が変色して段々と赤みを帯びてきた。
「うん、これくらいでいいでしょう」
少しして女神が、そう言ったので魔法を止めると、女神は早速、少し千切った焼いた肉を口の中へ入れた。
「あっ、大丈夫です。ちゃんと出来てます。
お二人とも、召し上がって下さい」
俺とオリビアは、半信半疑なものの、焼いた肉片を千切って味見してみた。
「「!!!」」
二人は思わず、目を見開き、顔を見合わせた。
「うっ、うっまい!!! 何、これっ!
かにとエビのような旨味を濃縮したような美味しさ!!!」
「さすが女神さま。凄く美味しいです!!!」
二人にそう褒められて、したり顔の女神。
「でも、何でこんな料理を知ってたんですか」
「ウフフ(笑)、実は、花嫁修業の料理教室で習ったんです」
さすが、神々の花嫁修業。規格外の規模だった。




