恋人同士なら天国。電車の中だと地獄。これな〜んだ?
「なっ!!!」
驚きのあまり、言葉を詰まらせてしまった俺。
おっぱいを揉んだはずの掌に感じた感触は、想像もしなかったものだった。
柔らかい脂肪に沈み込むどころか、指に何か鋭いものがくい込む感覚がしてとても痛い。
しかも、よく見ると手はおっぱいに触れずに、肌から数ミリ程のところで浮いたまま止まっていた。
まるで、その間に透明で強固な棘の壁でもあるように。
「まっ、まさか、これがそうなのか?!」
俺は、悪魔(女神)の言葉を思い出した。
「『あの神器は、目では決して見る事が出来ない不可視の鎧なんです。
実際には鎧の形をした無限の結界が体表面を全てカバーしています。
それ故、どんな膨大なパワーを持つ攻撃でも魔法でも無力化してしまうんです』」
つまり俺がおっぱいを揉もうとすると、魔神の鎧に阻まれて、触る事すらも出来なくなってしまったのだ。
「チッキショ――――――! 何てこった!
目の前に揉んでも良いという契約したおっぱいがあるとゆうのに、俺は触れることさえ出来ないのか?
大切なお金払って、取引まで漕ぎ着け、説得までしてのけたというのに。
こんなチャンスは人生で二度とないぞ!
悔しいー!、悔し過ぎる――――――!!!
きっともう俺は、おっぱいを揉めることなんてないんだ。
もし、揉むことが出来たとしても、残りの人生は檻の中で過ごすことになるだろう」
膝を床に付けて前屈みになった俺。
目から流れる涙がぽたぽたと床に落ちるのを見ながら、咽び泣いた。
そんな俺に、優しくトントンと肩を叩く者がひとり。
顔を上に向けると、そこには気を取り戻した半裸のオリビアがニッコリ笑顔で迎えてくれた。
そして、あいてる片手をグーにして拳を握ると、持てる力の全力で俺の顔面に叩き込む。
「ギャ――――――!!!」




