インビジブル・アルティメット・アーマー2
まるで嘘のような黒い炎は消失し、それが渦巻いていた中心にオリビアが立っていた。
それは、何事もなかったように。
と言うか、見る限り爆炎が起きる前と全く一緒だった。
タオルで何とか体の前を隠そうとするが、胸とお尻が隠し切れない半裸状態。
オリビア本人はというと、あまりの驚きに呆けてしまい、心ここにあらずといった感じだ。
「あれって何にも変わってないんじゃないの?」
オリビアを指しながら悪魔(女神)に聞いてみる。
「いいえ、もうあそこに存在していますよ。あの鎧の魔神は。
ただ、あなたが言いたいことも分かります。
あの女性の周りには、何も変わった物が見えないとおっしゃりたいんですよね」
「ああ、その通り。
防具だとしたら、体を守るための軽くて硬さのある物体があるはずなのに何もない。
これでは、文字通りの裸同然じゃないか」
「そう見えるのも無理はありません。
そう。それがあの魔神の一番の特徴。
あの神器は、目では決して見る事が出来ない不可視の鎧なんです。
実際には鎧の形をした無限の結界が体表面を全てカバーしています。
それ故、どんな膨大なパワーを持つ攻撃でも魔法でも無力化してしまうんです」
俺は、真剣な表情で悪魔(女神)の方を向いて言った。
「と、言うことは?」
「はい。見た目では裸のままですね」
それを聞いた俺は、一度目を剥くと、口を一気に限界まで開いた。
「ウヒョ――――――ッ!!!!!!」
また、恥じらう乙女の裸が見られるという喜びで、俺の下卑た笑いが大きく響いた。




