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雷撃の魔剣姫

 半裸の美女を確認すると、悪魔(女神)が不思議そうに言う。


「あなたこそ、誰なのですか?

 この世界『選択の狭間』には、限られた人しか入れないんですけど」


 すると、悪魔(女神)の居るあたりから、あのオンボロイドAIが答えるのが分かった。


「女神さま、女神さま。

 こちらの女性はあの男と一緒にこちらの世界に迷い込んでしまったみたいです。

 恐らく同一時刻の同じ場所で死んだことで、この世界のゲートが開いた瞬間に巻き込んでしまったのでしょう」


「なるほど、そうでしたか。それは災難でしたね。

 では、まずこの世界が何なのか説明しましょう。ここは、『かくかくしかじか』です」


「なんだ、その『かくかくしかじか』って?

 全く理解出来ないのだが」


 そう質問で返した半裸の美女に、妙なプレッシャーを行使して威圧的になった悪魔(女神)。


「「お察しなさい」」


「あっ、う、うん。わかった、わかったよ。

 えーと、あなたは女神さまで、ここは生と死の狭間みたいなところ。

 そして、ここに来た者は『転生』か『転移』を選べるってことなんですね」


「はい、その通りです。

 でも困ったわ。こういう時はどう処理をしていいものかしら?」


「女神さま、女神さま。この女性はこの男に付いて来てしまったので、これからの行き先も同じにしなければ世界システムにエラーが出てしまいます。最悪、一つくらいの世界が滅亡するかもです」


「うーん、やっぱりそうかあ。

 あなた、えーと、名前は……」


「オリビアです。私の名は、ビーフストロガノフ・デン・オリビア。

『雷撃の魔剣姫』という通り名の方が有名かもしれません」


「では、オリビアさん。神として命じます。世界の都合上、もう少しだけ彼と行動を共にして下さい」


「はあ、まあ、それはいいのですが……」


 口を濁らせたオリビアだったが、スッと俺の方を指すと強い口調でこう言った。


「その前に、こいつが私の裸をガン見するのを止めさせてもらえませんか?!!!」


 俺は、仁王立ちで目に焼け付けるように、ねっとりと裸体を堪能していた。



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― 新着の感想 ―
[一言] ビーフストロガノフ・デン・オリビア ・・・美味しそうですね。
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