怒涛の何とか回
俺を囲う青白い光の円が消えたと同時に目の前の景色がパッと変わった。
眼前に現れたのは、無数の星が並ぶ夜空。
そして、背中から落ちていく感覚。
「ヤバい! これ、また死んじゃうパターンじゃ……」
そう嫌な考えが浮かんだ瞬間。
バッシャーン!!!
行き成り、水の中に入っていた。
水?! いや、これは、水は水でも温められたお湯だ!
そう気づくと同時に、下に足がつける浅い底があるのがわかった。
ザバー
俺は、お湯の中で立ち上がった。
辺りを見ると、そこには十人程の人がいた。
いや、ただの人ではない。
全身毛の生えた半獣人や耳の長いエルフ、身体のずんむくりんなドワーフなど多種族。
そして、共通すべきはみんな裸で、胸とお尻にボリュームを持つ女性だった。
そう、ここは温泉の露天風呂。しかも、異世界女風呂だった。
「あの悪魔(女神)、サービスって言ってたのは、まさかこの事じゃないだろうな」
周りにいる女性たちは、降ってわいた男の姿に驚いていて、あっけに取られている様子。
そんな中、俺は後ろに恐ろしい程の殺気を感じとり、ゆっくりと振り返える。
そこにいたのは、髪は白金のような輝きを放ち、瞳はサファイヤほにゃららで、まあ言ってしまえば美少女です。
その子が、手拭いで身体手前を隠しているのだが、細くもボリューミーな身体を隠し切れるはずもなく、胸とお尻が半分ほどがあっさり見てとれた。
顔は怒りの表情で、その右手にはバリバリと稲妻の如く白く輝く発光体を浮かせいている。
「あの世で後悔するがいい! この変態痴漢野郎!
『エレクトロニック・サンダー・ボルト!!!』」
憤怒の女性がそう唱えると、右手の発光体が光の速さで上空に飲み込まれた。すると、どこから集ったのか黒い雲が一瞬にして出現して、一条の光と共に轟音を響かせた。
バリバリバリバリッ!!!
稲妻は、見事に俺に命中し、風呂のお湯にも通電した。
俺 「ギャ――――――ッ!!!」
女の子「ギャ――――――ッ!!!」
そして、おいらとその子は感電死。
チン、チーン。




