表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

137/147

半ケツっ!!!

 まさか、地獄の閻魔大王が山のように巨大でボンキュッボンのチャイナ服美女だとは……。

 巨大な閻魔大王のおっぱいに挟まれるという地獄のような天国から本当の地獄の大地へ戻された俺。(←なんのこっちゃ?by作者)

 閻魔大王は、かくして女神に話しかけた。


「女神アクエリアスよ。

 そちは、このわらわの地獄がどのような事態に陥っているか理解しているのであろうな?」


「ええ、地獄の主たる閻魔大王。

 おおよその事は、この最新鋭AI(人工知能)であるシリーから聞いています」


 女神は持っているスマホを巨大な彼女が見えるようにかざして見せた。


「なるほどのう。

 では、どこまで知り得たのかを話すが良い」


「まずは、この地獄が緊急非常事態の中にあるということですね。

 現世にいた人々が何らかの理由で一斉に死んでしまったことで、大量の死者の魂が地獄へと押しかけ、人生の裁判所としてのシステムが機能しなくなったと聞いています。

 先ほど見たとても長い行列は、現世で死んだ彷徨える魂が行き場を無くし、あのような形でただ待つしかない状況なのではないですか?」


「その通りなのえ。女神アクエリアスよ。

 復旧を試みてはいるものの如何せん裁判の判決を言い渡せるのは、わらわひとりだけ。

 とてもではないが、対応しきれん」


 閻魔大王は、やれやれと言いたげに片手を体の横に持ち上げる。


「そこでじゃ。

 われらの偉大なる創造主、()()()にお伺いをたてたところ、今回だけは特別に時間を巻き戻していただけるとの回答を得た。

 ついては、元の世界の担当女神に断りを入れて欲しい旨を賜ったので、そちをここまで呼んだ次第じゃ。

 この取り決めになにか異論はあるまいな?」


「時間を巻き戻して死者の魂を現世へ生き返らそうというのですね。

 さすが、我らの創造主。

 その寛大なご配慮にただ、ただ敬服することしか出来ません。

 そこにわたくしの挟む口などあるはずがございませんわ」


「良いであろう。

 では、死者の時間を巻き戻す件はここに可決とする」


 これを聞いて俺は、心底ホッとした。

 なにせ、この大量に死者を出した要因は俺の究極魔法であり、こころの中で罪悪感が半端なかったからだ。

 すると、閻魔大王が俺の方を不思議そうな顔で見ているのに気付いた。


「これ、そこのもの。

 わらわは、人の心と過去を見通おす神通力を持っておるが、そちは何故にそんなに安堵しておるのじゃ?」


「いや~、だって皆、生き返らしてくれるんでしょ?

 こんなに嬉しいことはないじゃないですか~」


「うむ。

 じゃが、そちだけはダメじゃぞ。

 この地獄を大混乱に(おとしい)れた罪、ここでしっかり(つぐな)ってもらおう」


「えっ?!

 と、いうことは……、俺は?」


「地獄めぐり・フルコースの刑に処すっ!!!!!」


 俺の耳に閻魔大王の残酷な判決が響いたのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ