探し物はなんですか?
「まっ、魔王?!
今、魔王がどこにいるかっだって?!
ぷっ、ぷぷぷ……。
あーーーーーーはっはっはっはっはっ(大爆笑)」
こっくりさんをしていた縁起の悪い宿屋の部屋から外に出て、中央広場の噴水広場へと場所を変えた俺。連れて来たオリビアをベンチに座らせて魔王についての行方をたずねたところ、この大笑いが帰ってきた。
「ん? あれれ? 俺、そんなに笑えることを言ったか?」
「あははは(笑)
だって、魔王って言ったらおとぎ話に出てくる空想のキャラクターだぞ。
それを大真面目な顔してどこにいるのか聞いて来るんだから絶対に笑わせようとしてるだろう。
やめてくれよ! お前は!」
「えっ?! おとぎ話??? 空想のキャラクター???
あれ? 俺の知っている魔王と何かズレているいるように思えるんだけど、良かったらそのおとぎ話というのを俺に聴かせてもらえないかい?」
そうお願いするとオリビアは、やっと笑いを止めて俺の顔を見てくれた。
「ああ、そうだったな。お前は女神さまと一緒に違う平行世界から来たんだったな。
もしかしたら、お前の言う魔王とちょっと違うのかもしれない。
いいだろう。
私の知っている限りで良ければ魔王の話をしてやろうじゃないか」
オリビアは、そう言うとひとつコホンと咳をして語りだした。
「むかーし、むかし。
あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。
ある日、お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました」
「んんん? 違うんだけど知ってるお話の始まりだ」
「お婆さんはいつも通りにタライを使って洗濯をしていると、川上の方からどんぶらこ~・どんぶらこ~と大きな暗黒物質が流れてきた」
「あっ、暗黒物質っ??? あれ? 桃じゃないの? 俺の聞き間違えかなあ」
「お婆さんはそれを見るや否や洗濯を止めて立ち上がると急いで着物を脱いで、真っ赤なセクシーランジェリーだけを身に付けて川にドボンと飛び込んだ。
そのままバタフライで泳ぎ始めて1Kmほどある対岸まで着くと見事なクイックターンを決めて帰りは潜水したまま息継ぎなしで洗濯物のところまで帰ってきました」
「ええっ?! お婆さんにしては、昼も夜も元気過ぎないかい?
あと、肝心の暗黒物質、どこいった?!」
「一方、その頃。
芝刈りに行ったはずのお爺さんは、愛人の24才歯科医師助手の巨乳美女とツイスターゲームで盛り上がっていたが、はしゃぎすぎて入れ歯が外れた」
「お爺さんも元気だねって、それよりも巨乳美女とどこで知り合ったのっ?!
狂おしいほど羨まし過ぎるぅ!!!」
つづく




