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頭の中が、ビックバンッ!!!

 結局のところ、恵ノ神様については女神に聞いたそれ以上のことは分からなかった。

 何か世界の存亡をかけたとても重要な話をしていたように思うのだが……。(←注意:この人はおっぱいの話しかしていません)

 しかし、俺の頭の中には何故か今後やるべき目的が明確に刻み込まれていた。


『この異世界で消息不明になっている魔王を倒し、この世界の意味を明らかにすること』


 恐らく、その顔も思い出せない神様の命令であったものの俺には、死んでもやり遂げなければならない使命であると直感できた。

 ただ、それはいつまでという期限はあるのか? 行方不明の魔王をどうやって探せばいいのか? 弱っちいただの人間の俺に出来うることなのか? etc……。

 俺の頭の中でまるでビックバンのように無数の疑問が爆増する。


「すまないけど、少しひとりにさせてくれないか?」


 俺を取り囲み、いまだに不安そうに見つめる三人(女神・オリビア・ドザエもん)にお願いした。


「どこか具合の悪いところでもあるのですか?」


 さらに心配そうに女神は言ったが、俺は多くを語らず応える。


「いや。少し分からないことがあるから、頭の中を整理したいんだ」


 すると、顔を見合わせた後、三人はすごすごと部屋から出て行き、残された俺はベッドの上で目を閉じてから改めて思考を巡らせる作業に入った。


 まず、俺が考えたこと。

 それは、この目的を俺が放棄して達成できなかった場合、どうなるのか?

 こんな荒唐無稽(こうとうむけい)の疑問に不思議にも俺は瞬間的に答えを出すことが出来た。

 もし、俺が何の行動も起こさなかったら俺は死ぬ。

 いや、それどころか俺を構成する魂の存在自体が消滅し、同時にこの異世界そのものが無かったことになる。

 もちろん、女神もオリビアも。(ドザエもんはどうでもいい)


 では、いついつまでと期限はあるのか?

 これについては明確な答えは(ひらめ)かなかったが、急がなくてはならないと頭のどこかで感じた。

 それこそ、俺たちを観ているどこぞの誰かが、恋する思春期の乙女のように早々飽きて心変わりをする前に。


「魔王を見つけ出して倒さなければならない。そして、それに向けて今すぐにでも動かなければ」


 俺は人知れず決意して心の中で呟いた。


 と丁度その時、部屋のドアが開く音がして先ほど出ていった三人がずかずかと戻ってきた。

 そのまま、俺の横たわるベッドの横まで来るとドザエもんは持ってきた小さい机をドンッと置いて、女神はその上に紙を一枚ひいて十円玉をのっけてから俺の方に顔を向ける。

 それを見て俺は言った。


「だから、()()()()さんはもうやらないってばよっ!!!」



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