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そして、たどり着いた場所 その8

 すると、神様は半分以上残していたクリームソーダをストローを使わずに一気にゴクゴク飲み干し、空になったコップをゴンッと机に置いた。


「わし、書くことを辞めるのを止めた。

 これを待ってくれている人がいる限り頑張って続けてみるっ!!!」


「えっ?! じゃあ、この異世界が消えてなくなるっていうのは?」


「当然、白紙に戻す。

 おぬしにはすまぬけどまた、異世界に戻って冒険してもらうのじゃ!」


「よっしゃー!

 何だか分からないけど、おっぱいの話をしてたら異世界を救ってしまった。

 やはり、おっぱいとは世界の救世主!

 人類、皆、おっぱい!」


「もう、おっぱい! おっぱい! うるさいのじゃ!

 いい加減に聞き飽きたわいっ!

 そんなにおっぱいのことばっかりしつこく言うのなら、異世界からおっぱいを全て消し去って逆におちんちんを女子の胸に付けてやるのじゃ!」


「わああああ(汗)、やめてくださいっ!!! そんなことっ!!!

 そんなの喜ぶのなんてこの小説を追いかけてるような特殊な性癖に到達している変態読者だけですって。

 異世界なんて滅ぼしてもいいから、絶対にやめて下さいっ!」


「おっぱいが救世主って話は、どこ行ったっ?!!!

 もう、いいのじゃっ!!!

 おぬしはさっさと異世界に帰って、やり直してくらはい」


 そう言って神様が右手を上げるとまた音もなく忍者のようなウェイトレスが俺の横に立っていた。


「あっ! ちっ、ちょっとだけ待って下さい」


「んっ?! なんじゃ?」


 俺がこの瞬間にも異世界に飛ばされると察して待ったをかけると神様は憮然としていたが、応えてくれた。


「あの、せっかく神様に会えたのですから何かお土産的なものが欲しいんですけど……」


「お土産って、例えば?」


「えーと、チート級魔法とか伝説級の装備とか卑怯すぎるスキルとかです」


「バカたれーーーーーっ!!!!!

 そんなの話の序盤でとっくにおぬしに渡しているのじゃっ!!!

 おぬしが勝手に忘れているだけではないかっ!

 選択の狭間でオセロにあんちょびで出したのは、『ファイアーボール』と『金のリンゴ』だけではなかったじゃろがいっ!!!」


「んんんん? 選択の狭間? オセロにあんちょび?

 うーん、えーと、えーと……。

 ああっ! そういえば、スマホのガチャ300万円で出したやつ([期間限定] 絶対的人気ロボットアニメコラボ企画超絶究極魔法)があった!!!」


「おぬしは、わしが与えた恩恵を忘れて今までずっと過ごしていたのじゃ。

 じゃが、そうじゃのう。

 わしがその魔法を使わせる機会を与えなかったのもまた事実。

 だから、もうひとつだけおぬしに神託を下すことにするのじゃ!


 『異世界で行方不明となった魔王を探し出し、それを打倒すること』


 この目的をおぬしに授ける。

 これを成した時、おぬしはこの物語の真意を知ることになるじゃろう」


 そう言うと恵ノ神様は、右手を上げてそれを下した。

 俺の横に立っていたウェイトレスがそれに応えるようにトレーの上に置いてあった銀色のピストルを手に持つと俺のこめかみに向けて引き金を引いた。








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