異世界こっくりさん、開催!!! その4
「くそっ!
ドザエもんひとりに私達三人だというのに、必殺技というだけでこれほど防げないものなのか!」
来るタイミングが分かっているのにそれを抑えられない焦りで顔の引きつるオリビア。
「いやっ! オリビア! ひとりじゃない!
女神の指の爪をよく見てみるんだ!」
俺の指摘を受けてオリビアが女神の人差し指を見て驚愕する。
「めっ、女神さまっ! なっ、何故ですかっ?!!!」
女神の爪は、ドザエもんの『ワン! ツー! ドーン!!!』の最後のタイミングに合わせて肌色から白へと変化していた。
つまり、女神はいつの間にかドザエもん側に加担していたのだ。
「それは、オリビアに恥ずかしい性癖があると印象付してダブルヒロインの座から引きずりおろそうとしてるからだよ……」
そっと心の中で呟いて、そんな女神の本音は胸にしまい俺は言う。
「オリビア! とりあえず今はそれは置いておけ!
それよりも、この状況をどうにかするのが先だ!」
「だが、いくら十円玉に力を込めてもヤツの必殺技でタイミングをずらさると進行を止められないんだ!
このままでは私の二つ名が『雷撃の魔剣姫』から『恥ずかしい性癖』になってしまう!」
言っている間にもドザエもんは『ワン! ツー! ドーン!!!』を繰り返し、十円玉はジリジリと距離を詰め、今はもうYESの文字にたどり着く直前。
「いいか、オリビア! 俺を信じてくれ!
そして、俺のタイミングに合わせるんだ!」
俺は、そう言ってから次の瞬間、こう叫んだ。
「ダブル燕返し返し! 『ワン! ツー! ドーン!!!(改)』」
(つづく)




