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モリアーティー嬢VS第二の刺客

『刃を向けない』と言っておきながらほぼ手出しをしない教授。



さて、シェリー君はどうなるのでしょうか?

「一体…何故?」

困惑しつつシェリー君は倉庫の惨状を見る。

何故か?



ナクッテ嬢は今、本来何処に居る筈なのか?

そんな疑問を持てば、今まで得た情報から犯人や動機や相手の考えは解る。

ナクッテ嬢は木剣ではなく鉄剣を持ち出していた、そして鉄剣は本来この倉庫に有る。

倉庫の整理中に人は来なかった。

どうやってここから自然に鉄剣を拝借したか?を考えれば、容易く解る。

ナクッテ嬢は鉄剣だけでなく正体を隠す覆面をしていた。

正体を隠し、人を害するのに向いた格好だが、何故、この時間には本来人が居る筈の無い、校舎の外れに来たのか?

人を襲撃するに相応しい格好なのに、襲撃するのに本来相応しくない場所に来た理由は?

それは今日に限り、ここが時、場所共に襲撃に適した場所になると知っていたからだ。

しかし、一介の生徒は生徒(シェリー君)がここに居ることを知らない。

明かりは小さく、とても宿舎から誰かが居ると気付けない。

どうしてここに生徒が居ることを知っていたのか?を考えれば、謎は謎ではない。







総じて言えば、

・ナクッテ嬢の本来の現在位置を誤魔化せる人間

・鉄剣を持ち出しても怪しまれない人間

・シェリー君又は生徒が今、倉庫に居ると知る人間。


犯人は容易く解る。







「問題は、この方程式が的中した場合、これから更に招かれざる客が来るということだ。」

それを聞いたシェリー君の顔が真っ青になる。

「更に…と言いますと?」

「例えば、近くに隠れていて、さっきの物音を聞き、ナクッテ嬢の失敗を悟った第2の刺客がミス=フィアレディーの元に向かう君を見つけて強襲……なんて事も…。」


「………………………………………」


ランプを持つ手が震える。

「ちなみに、夜中に灯りを持っている人間は目立つ。

そして、こちらは灯りで目が明るさに馴れて、暗闇から来る人間を視認できない。」

その一言でシェリー君が固まった。


先程の冴え方は火事場力といったところか、先程同様の冴え方をしていたのなら、前方、真正面からやって来る刺客に辛うじて気付けた筈だ。


フッ

半歩退がって回避っと。


ガシャーン!!


シェリー君に気付かれない様に少し回避する。


さぁ、第2ラウンドの開始だ。



刺客2人目も当然覆面だった。

鉄剣を握り締めてこちらに斬りかかる。


「きょ…教授!?」

敢えて憑依しない。

刃無くとも倒せるが、それでは彼女が成長しない。

彼女の成長無くしては先ず彼女は生き残れない。

彼女も前座だ。真打は私が相手をするとしてもここまではアドバイスは有れど一人でやって貰いたい。



幸い、動きは荒いし無駄が多いが、しかしそれでも、暗闇で視覚を制限されながらも回避は完璧だ。


剣術は『攻撃』・『回避/防御』の2つに頭脳を割かねばならない。

そして、シェリー君は剣術の授業中、『攻撃しなければ』という考えと『貴族令嬢に攻撃しては不味い』という考えによって『攻撃』に無駄が多くなっていた。

それにより『防御/回避』の分の頭脳を圧迫し、攻撃も防御/回避も半端になっていた。



しかし今、所持品に鉄剣を相手取る得物の無い状況で『防御/回避』に専念したことで、シェリー君の反射神経と運動性は完全回避を実現させていた。



これだけ出来れば中々良いだろう。

後は回避に慣れたら攻撃を並行で行えるように調整するだけだ。

さて、彼女は、シェリー君はこの状況下でどうやって刺客を倒すかね?


総合評価 295pt

評価者数:12人

ブックマーク登録:95件



小説全体    PV    ユニーク

累計     37,160アクセス5,182人



ブクマ人数3桁&総合評価 300Pt まであと少し!

頑張っていくので応援よろしくお願いします!

なろうラジオ大賞の応募作も宜しくお願いします。

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