スパルタが阿鼻叫喚するモリアーティー式
若干設定部分等を弄りました。
試しに大賞に応募してみたいので、一時的に二次創作設定を名目上外します。
ただ、本編には然程関りが無い部分なのでご安心を。
なろうラジオ大賞の方も良ければ見て下さい。
周囲がガヤガヤと賑わい始めた。
当然だ。皆が向けていた視線。余裕ぶっこいて躱しながら周囲を見ていたが………皆笑っていた。
楽しい見世物を見ているような、喜劇の類でも観ているかのような顔だった。
ふざけている。
お前達も共犯だと忘れるな。
傍観していることは黙認だ。
お前達も彼女の敵だと知れ。
つまり………………………私の敵だ。
「何事ですか⁉………………おや、如何したのですミス=パウワン?」
現れたのはミス=フィアレディー。
その顔はいつも通り、刀の様な鋭さに満ちていた。
「何をしたのです?…………………後で事情を説明なさい!先ずはミス=パウワンを保健室に。あなたたちは自習を続けなさい。」
そう言って血塗れの脳筋を片手で持ち上げてミス=フィアレディーは校舎に去っていった。
「シェリー君、アレは…魔法かね?」
「えぇ………おそらく。」
流石にあの細腕一つで人間を持ち上げるのは………魔法ではないとしたら、私は人間の定義を改めねばならない。
さて、次は如何しようか………………?
「シェリー君、自習だ。さて、『モリアーティー剣術』をやって見せた。
君の身体で再現して実際に出来たのだから………………まぁ、考えればモリアーティー剣術が君にも実行可能だと証明された訳だ。
と、いう訳で……………さぁ……………」
「教授…………?若干、私の顔が……教授の表情の作り方が…………恐ろしいのですが…………というか、嫌な予感しかしません。」
声の感覚から察したのだろう。
良い傾向だ。
それが最終的に、喋り出す前に予測できるようになれば及第点。
諦めて私が言い出す前にやり出せば高得点。
無論、私から逃れる事は出来ないから…………策を弄して回避という選択肢は存在しない。
「自習時間を利用して『モリアーティー剣術』の習得をして貰う。
異論は認めないから、その心算で。」
「………………………………解りました。」
何度も同じことをやって失敗させられるor諦めを植え付けられると、例え100%成功する状況であってもやろうと試みようともしなくなる。
『学習性無力感』というヤツだ。
反逆の気持ちを折るのには有意義だ。
まぁ、ソレとは関係無く、私から逃れるのは無理だがな。諦めをお勧めする。
「ミス=シェリー?お手合せお願い出来て?」
何人かがカモられ……向かって来る。
さっきの木剣捌きを認識できた輩は居なかったようだ。
当然だ。自習中で他の連中を気にする余裕なぞ無いだろう。
そして、片手で剣の得意な令嬢や教師を相手にして生還どころか倒した………なんて信じる者は居ないだろう。
特に、脳筋の動きは他の連中には見えていなかっただろうからな。何が起きたかなぞ解りもしなかっただろう。
フッ
「さぁ、頑張り給えシェリー君!」
「あの!教授。そう言えば私、実質片手しか使えないのですが…………」
「頑張れシェリー君。『モリアーティー剣術』は原則、手負いでも十全がモットーだ。
慈悲は無い。」
「教授⁉⁉⁉⁉」
陽光照らす中、シェリー君が泣きそうになりながらも片手で貴族令嬢を相手にしていく。
カン
カン
カキン カン カッ
カン
キィン!
先程より動きが良くなり、真っ向から剣を受けなくなっている。
脳筋の動きを見ていた事、私が実際に動いてやって見た事が影響した。計画通り。と言ったところだ。
「教授!酷いですあんまりです!」
心の中で叫びながらも木剣で巧みに捌く。
フフフフフフフフフフフ……………………………………………………ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!
シェリー君にしか聞こえない、私の叫びが無音で響き渡った。
三万PV迄あと少し!
1万PV/週と今の所相成っております。
ブクマしてくれた方の数が80人になり、評価者数も10名を超し………本当にありがとうございます!
やれる限りやっていきます!




