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未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
モリアーティー嬢とモリアーティー教授
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教授の覚悟

まだまだ書きますよ。


あと三時間…………終わるかな⁉

 「教授⁉⁉⁉今何か凄い音がしたと思うんですが⁉⁉⁉⁉」

 頭の中でシェリー君が困惑を示しながら叫ぶ。

 「そこら辺の小動物(豚)が転んだのだろう。

 さぁ、そんな事はどうでもいい。行くぞ!

 この先に毒草が群生して生えているんだ!さぁ、レッツ毒殺!」

 「教授⁉テンションと声の爽やかさと語尾の上がり方がさっき迄と違いますよ⁉⁉⁉

 しかも、香水用の野草ではなく毒殺用って…………私、聴いていませんよ⁉⁉⁉⁉」

 「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!さぁて、行こう。この先だ」

 強引にスキップしながらその場を後にした。

 昨夜、散歩をした時にこの一帯は見てあった。

 月明かりで詳細は見られなかったが、かなり役立ちそうな物を見つけることが出来た。

 先ず、多種多様な植物が生えていた。

 私の見覚えのある植物、教科書で見た植物、未知の植物……………………様々なものが見つかった。

 これらは薬物や毒物研究において非常に役に立つ。

 学園ならば毒物の入手自体は容易だろう。だが、後々証拠が残る。

 しかし、自前で毒を作れば証拠を残さない限り足が付き辛くなる。

 そして、もう一つ。それは、先程飛び越えていった井戸だった。

 古くなり、使われなくなった井戸。

 劣化しかけた木製の蓋がされ、しかし、中には未だ水が通って、使える井戸だった。

 学園は大概の場所に人が来る可能性が有り、何の、とは言わないが、死骸や証拠や大事な物を隠す、ないしは一時的に始末する場所には困る。

 この辺り一帯は人が来た形跡が無い。つまり、人は来ない。

 大事な者が助けを求めても聞かれて救出される事は無い。

 隠し場所、監禁場所としてうってつけだった。

 が、今回は宿舎の床同様に、落とし穴としての利用法をさせて貰った。

 下は水がかなり溜まっている為、落ちても即死はしない。しかし、助けも来ない。

 すると、落ちた人間はどうなるか?

 1.体温を奪われ、低体温状態になって溺死する。

 2.何とか溺死は免れたが、出られず、救助も無く、餓死する。

 2つに1つだ。

 豚嬢が落ちたことを知るのは私一人。

 そして、私はあれを助ける気は無い。

 当然だ。そんな義理は無い。

 人一人…………豚嬢はシェリー君を豚と罵っていたが、人を危うく一人殺しかけていた。

 他の連中もやっていたとして、だからと言って罪は軽くはならない。

 1人の人間を10人がナイフで刺す。

 9人が刺し、最後の1人がトドメを刺して、男は死んでしまった。

 その場合、最後に刺した人間だけが悪いのだろうか?

 そんな訳が無い!

 例え10人が刺そうが100人が刺そうが、どころか、傍観していた人間も!

全員が人一人を殺したのだ。

 良いかね?

 人を殺す以上、君は殺される覚悟をしなければならない。

 10人の内の1人であっても、例え、それを傍観している人間であっても、覚悟をせねばならない。

 豚嬢のやったことは殺人未遂。

 私が止めなければシェリー君は死んでいた。

 死ぬ覚悟は出来ている筈だ、出来ていなければならない。

 もし……………出来ていないのであれば………例え出来ていなくとも、殺される。


 『殺す』という事は、『殺される』覚悟を要するのさ。

 豚嬢、それが出来ないのなら、君はするべきでは無かった。

 もう、遅いがね。

教授は記憶喪失では有ります。が、それでも、忘れないで下さい。



彼は元々、冷酷無慈悲、悪役令嬢なんて可愛く見えてしまう、最悪の犯罪者だったという事を。

記憶が無くなった程度では彼にとって問題では無いのです。



続きます。

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