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未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
アカデミージャック・アカデミークイーン
293/1781

シェリー=モリアーティー 披露する

 遅れて申し訳有りません。

 もうそろそろ終幕です。

 「そっちはどうかナァ?」

 大広間へ行くと4人がとある一点に集まっていた。

 しかも、四人共、腹が立つほど誇らしげな顔。

 「見つけましたね。あの顔は。」

 「まぁワカルヨネ……あの顔。」

 一箇所だけ瓦礫が退かされている。

 「ヌゥ………見つけた。」

 「一箇所だけ、変な場所が有ってナァ。」

 「ちょっと見てみた感じ、欠けたってことでも無さそうでのー。」

 「他に、それっぽい物も無かったし、多分これで大丈夫だと思うんだがにー。多分……別の鍵みたいなものが必要なんじゃないかと思うんだがにー。」

 そう言ってシェリー君を招き寄せた先には壁。

 正確には広間の壁、地面から96.2㎝上にある奇妙な凹み。

 幅1.2㎝、厚さは2㎜に満たない大きさの溝。中腰に屈んで覗いて見ても、当然小さ過ぎて奥行き迄は解らない。

 「で、そっちの方は鍵を見つけたのかナァ?」

 長身痩身がシェリー君の顔を覗き込む。

 「問題ありません。こちらは既に鍵を入手していましたので。」

 シェリー君がそう言って懐からある物を取り出す。

 その言葉に4人が首を傾げる。

 当然だろう。シェリー君が取り出したのは5つの鍵。例のゴーレムから出て来た花の装飾が施されたあの鍵だったのだから。

 あの鍵を5つ集めて隠された6つ目の鍵が何処からか転がって出て来るとでも、隠し場所を示すヒントや手掛かりがこれに隠されていたとでも思っていた事はまぁ解っていた。

 「これ……どう考えたって………ナァ。」

 「入らないにー……」

 「ぬぅ………………これは?」

 「一体、どういうつもりかのー?」

 鍵の大きさは大小様々、一番小さなものも到底入らない。

 困惑は必至。

 「さぁて、ここでいつもなら私が解説を入れる所だが……手助けは必要かね?」

 アイコンタクトをしつつ訊ねる。

 「私が御説明して宜しいですか?」

 ウインクで応える。

 「勿論だとも。君が考え、君が予想した事だ。

 訊いてはみたものの、説明をする人選において、君以上に相応しい者が何処に居ると言うのかね?私が交代して説明するのは筋違いという物だろう?

 それに、本来解説や謎解きは私のすべき事では無い。どちらかと言えば……解説を出来ない様に全力で探偵を煙に巻き、謎解きが出来ずに謎が謎のままで迷宮の最奥へ入れる方が私の性に…………やめておこう。」

 核心に触れかける前に回避。では、名探偵…とまでは未だ行かないが、シェリー君のお手並み拝見と行こうか。

 「では………我々で見つけたこの鍵。

 これら5つの鍵が『次へと向かう為の共通の鍵である。』という事を前提として、問題が一つ。形状の違いです。」

 そう言って手の中の鍵を並べて見せる。

 形状から何から全てが違う。

 飾りの花の大きささえも全く違う。

 「で………これで鍵を開けるって事で良いのかナァ?」

 「んー…………もしかして、アレは鍵穴じゃ無かったのかにー?」

 自分達の見つけた鍵穴(仮)に自信が無くなって来た4人。

 どう考えてもシェリー君の手の中の鍵は目の前の極小の凹みに入りはしない。

 このままで見れば一部分であっても入らないだろう。



 このままで考えれば………だ。




 ここ1週間、色々企画を行ったので、良ければそちらもどうぞ。


 また、連載中のバーサーカーガールも宜しくお願いします。

 こちらもヒロインが活躍します。

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