傭兵達の家探し
お待たせして申し訳有りません。
数話分出来上がりましたが、精度を上げたく、明日・明後日に残り分は投稿いたします。
「ここにアイツらが来たのは間違い無いっスね。」
キョロキョロ辺りを見回しながらレンがそう言った。
「あぁ、気を付けろ。来た……じゃ無くて未だここに隠れてる可能性も有ると考えて探せ。」
教室を隈なく探すも人影は無し。居た形跡も無かった。
しかし、他の部屋と違い、この部屋、学長室だけが荒らされた形跡が有る。
ここに奴等は来た。しかも、徹底的に荒らした跡を見る限り、何かを探していた。
書類、盾、トロフィー、書類、書類、書類、書類、書類………………………………………………………………地面に乱雑に散らばっているその様は正に泥棒が入った後そのものだ。
辺りの調度品に目をやると、ソファにテーブル、仕事用の机、どれもこれも高い物ばかりに見える。
流石にここまで大きいと運び出すのは無理だが、それでも、他に盗めるモノは有った筈。が、荒らされた形跡が有っても何かを盗んだ形跡が無い。
「色々有るっすね。これなんか魔法のなんかの大会で優勝してるっス。」
「レン、真面目に探せ。」
ここでアイツらが何かを探していた事は間違い無い。
何を探していた?
学校なんざ本来ならば金目の物が置いてある場所じゃない。
そこらに紙が落ちている。が、ある程度目を通したが、気になる事は有っても金目になるものは何処にもない。
「ジャリスさん。」
「何だ?」
「あの本棚は探さなくていいんスか?」
「…………………………探さなくちゃダメか?」
レンの言っているのは荒らされている中、一箇所だけ整然と本が並べられている本棚だ。あぁ…………明らかに何かありそうだ。が。
「ヤな予感しかしないから出来るだけ、触りたか無いんだがなぁ………………」
そこだけ異常に綺麗に整理整頓されている。
露骨に………………な。
「駄目っスよ。探さないと。」
あーあ……………………面倒だ。
明らかになんか仕掛けかなんか有るだろ?
本を触った途端にドカン!…………………………なんて事にならないかねー…………。
「レン、退がっとけ。」
「いえ、俺がやるっス!」
そう言って無謀に突っ込もうとしたレンの頭を…………ゴン!
ウィリアムで殴りつけた。
「痛ッつぅぅぅぅ!」
「お前の考え無しの特攻に俺を巻き込むな。同じ死ぬなら俺がやる。」
恐る恐る適当な本の背に指を掛ける。
引き出そうと引っ張るが、微動だにしない。
「これ……よっ!」
「ジャリスさん手伝いますか?」
「いい。お前は、離れとけ。」
馬鹿みてぇに詰まってやがる………クソッ!
背表紙に指を掛け、本が傷みそうになりながらも引っ張る。
本棚から少し本が引っ張り出された所で本側面を掴んで力強く引っ張る。
ドォォン!
シュッ
遠くで何かが爆発した様な爆発音の後に、空気が流れる音がして分厚い本が引っこ抜けた。




