いざ、第二の間へと
この学園地下迷宮編。長くなり過ぎない様に気を付けて行きます。(もう遅いかもしれませんが。)
穴から這い出たシェリー君の前に広がっていたのは、ゴーレムの残骸達。
25体を倒した後の光景そのもの。しかし、修復の気配は無かった。
「これで………ここは御仕舞ですね。」
「ねぇねぇねぇ、でも僕達、閉じ込められたままだよ?どうするの?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
そんな疑問に答える様に、来た道の方から何か重いものが動く音が聞こえた。
「どうやら、第一関門は突破したみたいだにー。」
音のする方へ6人は歩いて行った。
閉ざされていた大広間に繋がる道は開いていた。
大広間へと戻ると全員少し気が抜けたのか、そこにへたり込む。
「ナァ…………こんなのが、あと、4回あるのかナァ?」
「ふー………考えただけでキツイにー。」
「ぬぅ、しかし急がねば追手が来るやもしれん。」
「ねぇねぇねぇ、休む事も大事だと思うけどぉ?」
「フーム……両意見とも、妥当っちゃ妥当かのー。」
このまま素直に休めばあっという間に時間が尽きる。
かと言ってこのまま次に突き進むのもギャンブルになりかねない。
さぁ、シェリー君の采配や如何に?
「先程の最後の一撃。あれが非常に大きな音を立てました。
無論、ここは地下ですので誰かに聞かれる可能性は低いかもしれませんが、それは楽観というもの。
最悪の可能性を考えて、最低限のケガの治療の後、進みましょう。」
呑気に出来ないのは事実。
過酷ではあるがシェリー君は進む事を決定した。
(はてさて、この一手は好手となるか?悪手となるか?)
見えていても、今、私はシェリー君の傍観者である。
「準備はよろしいですか?」
「「「「「応。」」」」」
「では、参りましょう。」
そう言って6人は右手奥の通路へと歩を進めていった。
ガラガラガラガラガラガラ!
6人が入ると直ぐに大岩が上から降りて来た。
大広間との繋がりが断たれた。
「次の石人形もまたあのゾンビみたいなやつかナァ?」
「それは無いんじゃ無いかにー?」
「ぬぅ、一度対処法が割れてしまえばあの手の策は効果を発揮せん。」
「ねぇねぇねぇ。魔法を使う人達には有名な話なんだけど、『高名な魔法使いほど死にやすい』って話知ってる?」
「んー?それはアレか?『自分の手の内が完全にバレているから。』かのぉ?
魔法は特に過程や実行までの手間が多いからのー。下手に手口がバレれば痛打になる。」
「そうそうそれそれ。
ねぇ、次はどんなのが来ると思う?」
それに答えたのはシェリー君だった。
先頭を切っていたが、曲がり角の前でその先の様子を窺いながら後続の静止を促す。
「そうですね。
見た所、ゴーレムの数は7体。
この先は広間になっていて、広さは先程の再生型ゴーレムの間と同じかそれ以上。
ゴーレムの特徴は、人の手足にあたる部分だけ材質が違い、前に見た2種より全体が圧倒的に細いです。」
更にシェリー君が口にしていない情報を補足して言えば、扉が閉まった段階で侵入はバレている。
しかし、この狭い、逃げ道の無い細い通路へはゴーレムは侵入せず、わざわざ向こうで待っているという特徴も追加しておこう。
先程のゴーレムは修復機能の有効距離の関係でここに来ることは悪手になりかねなかった為にここに来なかった。
なら、あのゴーレム達は何の為に待ちの姿勢でいる?
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次話迄の間、第二の間のゴーレムの特性を予測する事も一興かもしれません。




