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未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
アカデミージャック・アカデミークイーン
239/1781

第一の間のゴーレム

祝!ユニーク読者様4万人突破しました!

来ました4万人!そして、これが5万人への第一歩!歩んでいきます!

 最初に選んだのは右側手前の道。

 選んだ意味を訊いてみたが、特に意味は無いらしい。

 6人が罠を警戒しつつ折れた通路の先へ足を踏み入れようとした途端。


 ガラガラガラ  ガタン!


 後ろの方で大きな音がして、案の定袋の鼠にされた。

 通路の探索を開始する前、他の5人に対してシェリー君はあらかじめ閉じ込められる可能性を示唆していた。お陰で然程慌てはしなかったものの、動揺は若干見られる。

 しかし、そんな動揺をしている暇は無い。

 通路を曲がった先に有ったのは、今しがた居た大広間程は無いものの、同じ様に柱の無い、何の置物も無い、石で出来ただけのただ単に大きいだけの空間。

 先程はその広間の壁がゴーレムの材料となってぞろぞろやって来たが、今回は少し違う。

 ゴーレムは作られるまでも無く、広間の最奥に鎮座していた。

 その数25体。

 先程のゴーレムと同じ様に見えるが、そんな訳が無い。

 先ず、最初からゴーレムの数をあらかじめさらす意味が無い。

 先程の様な『壁が材料となってゴーレムになる』予想外という意味での不意打ち効果は二度目には無い。しかし、どの程度の戦力差が有るかが一瞬で見て取れないというのは時に効果的に働く。

 それが証拠に、先程、全てのゴーレムを倒した後も、『不意打ちで壁からゴーレムが現れるかもしれない。』という不安要素で6人共壁を必要以上に警戒していた。

 更に、同じもので無いと考える根拠がもう一つ。

 あのゴーレム。材質が明らかに先程の石壁の材料と違うもので出来ている。

 ゴーレムの色は、今まさに自分達が居る場所の石材同様に、白っぽい灰色の石材である。が、表面に光沢があり、材料の石材の、若干の形状の違いによる個体差が少なかった。

 誰かがあらかじめ作ってあそこに準備していたものだ。しかも、わざわざ材料を違えて。

 「油断は、」「していません。材料が違う上に、明らかに職人の手が入っていますから。」

 よろしい。私の台詞を盗って私の存在意義迄奪っている感は否めないが、この場合は油断していない事を喜んで忘れるとしよう。


 ガガ ゴゴゴゴゴ…………ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!


 ゴーレム達が石像から石人形になった。

 ガシガシと動く様は先程シェリー君が山ほどスクラップにしたものと動きの面で差は無い。

 「皆さん、先程のゴーレムとは明らかに違う個体です。

 注意して相手をして下さい。」


 「「「「「解った!」」」」」

 6人はそれぞれの武器を手に、ゴーレムの集団へと立ち向かっていった。


ガゴ ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ ゴゴゴ


 歩みを速める訳でも無く、無言で石人形達は、文字通り黙々と進んでいく。


感想、評価、レビュー、ブクマ、宣伝、他の拙作への浮気等お待ちしております。

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