白羽の矢
記念すべき200話!
あれ?この前確か100話記念をやったばっかりだった様な………………
警戒心を解く様な微笑み。
陽に照らされて紫色の目と紺色の髪が深く輝く。
更には整った顔の造形も有り、その姿に目を奪われるのは男だけでは無いだろう。
しかし、私はそこに嫌悪感しか抱かない。
理由は、そう、同族嫌悪とでも言うべきか?あの微笑みを構成しているのは純粋過ぎる悪意100%。のみ。
あの微笑みの裏には奸計と血の匂いしかない。
微笑みの後、油断した相手の心臓に向けて弾丸が放たれる。
「良いだろう。話だけは聞いてやろうかナァ。」
長身痩身がそう言った。
その瞬間、紫目が僅かに笑ったのを見たのは、私だけだっただろう。
「簡単です。
私達を解放すれば良いのです。」
嫌悪感はドンピシャだった。
「ネェネェネェ。ふざけてるの?」
「そんな事すりゃぁ、俺達は直ぐに捕まって仕舞いだろうが。
解んないかニー。」
睨まれる紫目。しかし、言葉を続ける。
「勘違いなさらないで下さい。
全員開放する訳では有りません。
人質が沢山居るから足手纏いになるのです。人質は貴方達の安全保障には必須。しかし、その所為で探索効率が落ちでは本末転倒。
しかし、人質は一人でも効果を発揮します。
如何でしょう?一人だけ人質を取りながら5人で学園内を探索してしまう。というのは?」
矢張りそう考えるか。
確かに、その方法ならば、一人除いて確実に助かるな。
「成程、確かに、その方法ならば、こちらの能率は上がるし、お前らも助かるナァ。
…………………………だが、一体誰を人質にするか。だナァ。
そうだ、お前が言い出したんだ。お前が人質に、なるかぁ?」
意地悪く長身痩身が嗤う。
しかし、紫目がそこまで言われることを考えてここまで会話を進めていることを私は知っている。
「残念ながら……私は身体が弱く、私の実家、ヴェスリー家が騎士の家系である事も有り、私の父の部下はかなり血の気が多いです。
もし、貴方達が逃げ切れなかった場合…その………どうなるか…………。
余り、お薦めはしません。」
蒼くなる立て籠もり犯。
提案して、自分だけは確実に逃げる。当然だろう。
「で?じゃぁ、誰を、俺達は連れて行けば良いのかナァ?」
そう言いつつ、教室を舐める様に見回す。
怯えた生徒が体を震わせ、泣き出す者も居た。
「教授。」
シェリー君が私に合図する。
別に飛び掛かろうという訳では無い。
シェリー君はあの紫目の目論見に気付いた。というだけだ。
「えぇ………そうですね。
それなりの家系で、身体能力が有り、自己犠牲の精神を持ち、なおかつこの状況に冷静に対応出来る人………………ですと…………………………あちらの方は如何でしょうか?」
そう言って紫目が示したのは……誰だと思う?
解るだろう?
「シェリー=モリアーティーさん。彼女ならきっと、やってくれますわ。」
当然、そうなりますよね。
今日は体調不良につき、ここ迄とさせて頂きます。
御免なさい。もう少し書いて、嵐の中の光明にしたかったのですが……。
とか言いながら新作の『異世界バーサーカーガール』を投稿しましたが、これは前々から書いてあった物を投稿しただけです。




