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ランプの灯り

私達がやる事に関する障害。それは、『夜の見回りの教師』。もっと言えば『目撃者』だ。

これを如何にかしなければ見つかった途端にミス=フィアレディーに見つかって処罰されてしまう。

それだけでない。アイツに逃げられる。それが一番の問題だ。

私達は見回りの教師、そして他の生徒に見つからない様に事を起こさなくてはならない。

全ての汚名を返上し、その上でアイツに非道の泥を擦り付ける。あわよくば今までの私達に向けられた不名誉を全てアイツに擦り付け返す。

生徒は無関心でいてくれる可能性が高く、見回りは一人。簡単に終わらせられる。


さぁ、今夜は荒れるわよ。




私達の部屋は3階。

アイツの階は9階。

6階分の階段を昇り、アイツの部屋まで誰にも見つからない様にしなければならない。


ギィ…ギィ…ギィ…ギシィ!

ランプ片手にゆっくりと階段を昇る。

人の気配は無い。他の生徒達は無論扉の内側。ランプの気配は無い。

この階はOK。

(OK。次の階へ行きましょう。)

踊り場で待っていた妹達をハンドサインで呼び寄せる。

ギィ……ギィ…ギィ…………ギィ!ギィ

「!」

セントレアが歩いた時、床の軋む音が無音の中に響き渡った。

(静かに!気を付けて!)

口に手を当ててセントレアを睨みつける。

(御免なさい!)

ハンドサインで謝っているのが私の手元の明かりに照らされて解る。

周囲を見渡すが、辺りに人の気配は無い。

大丈夫だ。

ギィギィギィギィギィ

ミリネリアもやって来た。

サッサと次の階へ……………………………!!!

廊下の向こう側から明かりが近付いて来た!

明かりは徐々にこちらにやって来る……マズイ!

うっかり消し忘れていた手元の明かりを消す。

この時間に明かりを点けていたのを怪しんだのか、こちらに明らかに速く接近して来る。

(逃げましょう!)

(どうします?上?下?)

(上に逃げましょう。逃げ切ったらそのままアイツの所へ!)



タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ

他の生徒に警戒しつつ、静かに階段を駆け上がる。

しかし、ランプの光は相変わらず近付いてくる。

(もっと速く!)

駆け上がっていくと、階段の上方には………ランプの光!

(え!何で⁉)

後ろから妹達がぶつかって来る。

(どうしたんです?)(急ぎませんと!)

(でも、上の方に………)

下階からも上階からもランプが迫って来る。

(…………仕方ありません!廊下を走って向こう側の階段から行きましょう!)

タッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ

私達は廊下を駆けて行った。




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