宿舎内の冒険
3000PV突破しました。そして、評価、ブクマ共に鰻登り。
語彙が貧相ですが、凄い!嬉しい!
「一通り。理解した。
有り難う。シェリー嬢。」
読み終わったところで一息吐く。
「後は…何をしましょう?」
「そうだな。
次は、最初のあれを意図的に出来るか試そう。」
『あれ』
少女の肉体が首吊り状態から有り得ない動きで回避したあれだ。
別に彼女に任せても良いが…何せ証拠は残せない。
あれだけの動きで私がやれるならそちらの方がベター。
「私が君を動かしたあれだ。君は…あの手法が何か知っているかね?」
私は知らない。思い出そうとすればビシビシ頭が痛むが、加減乗除を知っていてもあれは知らない。
「さぁ……兎に角、教授が私に取り憑けば良いのでは?」
取り憑く。
取り憑く。か………………………………………
フッ
シェリー嬢を素通りする。
幽霊だからすり抜けると思ったからだ。が、
「出来た。」
手足がある。
体が軽く、自身とは違う違和感のような感覚が脳に伝わる。
「シェリー嬢?君は今何処に居るかね?」
辺りを見渡すが、彼女の姿はない。
「……ここです。何でしょう?この感覚は?」
頭の中から声がする。
「君は今、何を見ている?」
「私の見ている物です。
ただ、何だか私の見ているものや体の感覚が、何だか遠くに有るように感じます。」
「フゥム……シェリー嬢。体を動かしてみたまえ。」
「…………出来ません。」
フッ
身体から何かを引っ張り出す。引き剥がす気持ちで前に出る。
すると………
「戻れました!」
成程。何となくコツは掴んだ。
持続時間がどの程度か?他の人間に出来るか?
それは後で試そう。
「では……………先ず、外に出よう。そして、周囲の間取りなどを教えて貰えるかね。」
「解りました。」
フッ
カチッ!
ガチャ
モリアーティーは外へと出て行った。
世界が広がる。
魔法が有る世界だ。
ドラゴンやドワーフやユニコーンが出て来るのか。
はたまた、豚以外にも蛇や蜘蛛の様な貴族令嬢が出て来るか。
何が出ようと私のやることは変わらないがな。
扉から外に出ると、そこは木製の床と壁、窓だけの長い廊下。
片方の壁に一定の間隔で扉が付いて、もう片方の壁にはガラスの窓が付いていた。
それが延々向こうまで、かなりの長さで続いていた。
耳を研ぎ澄ますと扉の中から聞こえるのか幾つかの気配こそするが、静かなものだ。
ガッチャ……ン
静かに扉を閉める。
「教授。あの……」
頭から声が響く。
「如何したのかね?」
外を見回す私に対して何かを言いたげだ。
「あの…………直ぐに鍵を閉めて頂けませんか?」
「あぁ、済まなかった。」
室内に居たにもかかわらず、鍵を掛けていた。
それはつまり、招かれざる客が居るのだろう。ここには。
それは、彼女の心を蝕み、一瞬でも鍵が掛かっていない状況が不安で仕方ないのだろう。
カ…ッチ
牢獄の廊下に鍵の音が響いた。
ストック分は投稿お仕舞です。
明日からどれくらい書けるか…………まぁ、暇なときに頑張ってみます。
評価やレビューや宣伝等、良ければお願いいたします。




