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未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
シェリー君の帰省と(夏休み後編)
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魔王降誕

ブクマして下さった方が300人を超えました。有り難う御座います!

『魔法』というものを私は知った。

それは魔力というエネルギーによって世界の様々な変数を書き換える技術であり、要は蒸気機関の様なものだと私は考えた。

一応私も火の一つや二つは起こせることを確認したが、しかし、直ぐに問題が起きた。

今考えてみれば、魔力というものの性質を知らないが故に起きた事なのだが、雷や炎をある程度引き起こす事には成功したが、物質を作り出してそれを射出する事が出来なかった。

エネルギーによって物質を作り出すという事が理解言出来なかったのだ。

エネルギーを射出するならば魔力というエネルギーを火というエネルギーと運動エネルギーに変えるだけ。しかし、物質を射出するならば魔力というエネルギーを物質に変換し、それに運動エネルギーを付与しなければならない。

エネルギーの物質化。難易度としては非常に困難だ。しかし、それを容易に出来るにしては、文明の発展速度が遅過ぎる。要は魔法においてエネルギーの物質化は成されていないという事だ。

そこまでは解ったのだが中途半端な理解をしてしまった所為で、逆に実用に足る技術として確立するのに手間が掛かった(・・・・・・・)

まぁ、実用化は直ぐに出来るようになったさ。

要は私の仮説ミスだった訳だ。

魔力がエネルギーだというその前提が先ず間違えていた。

魔力。その正体はエネルギーでは無かった。

しかし、物質でも無かった。

その正体は、言うなれば半物質半エネルギー。物質の特徴とエネルギーの特徴の両方を持った、物質にもエネルギーにもどちらにも変化する、しかしそのどちらにも属さないものであった。

魔法とはつまり、魔力の一部を物質化し、一部をエネルギー化する事で変数に干渉する技術であった訳だ。

その仮定を元に魔法を使用してみた所、殊の外上手くいった。

端的に言えば、私も努力の結果、魔法を最低限使用できる様になったという事だ。

まぁまぁ実用には足る様になった。という事だ。

シェリー君は努力をして、私の講義に応えてくれた。

ならば私もそれに応えるべきだ。

教え授ける側が呑気に何もしないで居るのは怠慢だと、私も努力をして、新たに成長すべきだと、そう考えさせられた訳だ。




「ウルルルルルゥゥゥ」

「シュェェェッェェェェーーー!」

熊と蛇が私目掛けて突進してくる。

シェリー君、見ておきたまえ。理不尽な力とはこうやって返すものだ。

シェリー君同様に蛇を躱す。

問題はここからだ。蛇を躱すと熊が追撃を喰らわせに来る。

ここまではシェリー君の動きと同じ。あの髭面もそれは解っているだろう。が、髭面はここで動けない。

何故なら私は、蛇の体の側面で髭面の視界を遮り、操作できないようにしたのだから。

たとえこの二体が髭面の完全な統制下にあろうが、ある程度本能で動けるようになっていようが、二体と髭面、その両方の反応出来ない動きで、認識できない様に立ち回れば十二分に闘える。

「グゥゥゥルル!」「シェー!」

お互いの体が弾かれる。

ここまでは魔法は一切使っていない。

理由は簡単。単に『魔法が無くてもこの程度ならば容易く打ち破れる』という事を示す為だ。



「少し、魔法を使いましょう。

あなた達、覚悟はよろしいですか?」

自然に、穏やかに笑った。


遂に、教授が魔法を振るいます。

でも…安心して下さい。教授はそんなに魔法を使わないつもりらしいので。

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