表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
シェリー君の帰省と(夏休み後編)
139/1781

宣告

『肉体強化』

身体能力を底上げして蛇の方へと突っ込む。

鎌首をもたげた蛇が液体を滴らせた牙を剥きだしにして迎え撃つ。

背後からもシェリー君の動きに反応した熊が突進してくる。

正面から真っ当に組み合えば勝てる訳が無い。ならば。とシェリー君が行った手段は一つ。


同士討ち狙いだった。


シェリー君は蛇へと体当たり…………と見せかけて鎌首をもたげた舌の部分に滑り込んだ。

蛇は一瞬シェリー君を見失い(といっても、蛇は目より舌を感覚神経として主に使っているので味失い……というのが正解か?)、その一瞬の内に、正面から突撃してきた熊が蛇へと体当たりを噛ました。

自分はただの人間。巨大な熊や大蛇を相手に真っ当に闘えば勝ち目は無い。

それは私であろうと同じ。巨大生物相手に正面から真っ当な殴り合いを挑めば負ける。

だからこそ智慧を使う。

シェリー君は滑り込んだ鎌首の下部分から更に横っ跳び、熊と大蛇の怪物大戦争に巻き込まれないように距離を取って賊の方へと向かっていった。

観察する限り、最初の不意打ち。熊はシェリー君を狙って襲い掛かった。

泥沼に嵌って本能的に狙いやすいと考えるであろう賊共では無く、シェリー君を的確に狙っていた。

蛇の方も賊の指示に従って動いて、シェリー君に牙を剥いていた。

要は、蛇と熊はそれなりの知能が有る、或いは賊の指示に従って動いていると考えられる。怪物大戦争をしている内に賊の司令塔を潰して蛇と熊を操作不可能にした後で、残り170人の賊を暴走した蛇と熊に襲わせて制圧する。ないしは撤退させるのが狙い。といったところだろう。

どちらにしろ、まともに怪物大戦争をするよりは隊列の細くなった171人を相手にする方が確実だ。


が、


「グぅッ!」

蛇の胴体が波打って賊に迫ろうとしていたシェリー君を薙ぎ払う。髭面が手の中で何かを

もし、賊が二匹を操れるのであればこうなるのは必然。考えが甘かった。

緊急事態に混乱して打つ手を誤ってしまったな。

吹き飛ばされたシェリー君が脇腹を押さえつつ、諦めずに賊へと向かおうとする……が。

「グォォォオオオオオ!」

今度は熊が追撃に向かう。髭面によって完全統制されているらしく、仲間割れも起きていない。

『閃光』

ギリギリまで引き付けてシェリー君が熊の目の前に閃光を喰らわせる。

「ゴォォォォォルルルルルウ!」

熊が悶絶するのが解る。

賊の方も閃光を喰らって怯んでいる中、再度接近を試みる………が。

バシン!

蛇の尾がまたしてもシェリー君を阻んだ。

残念ながら蛇は目よりも舌の感覚が鋭い。更に言えば………

「ゴォォォォォ!!」

熊が怒り狂っている。

熊も鼻が良いから人間よりも閃光の効果は薄い。

動物相手は四足歩行や感覚器官、鰓呼吸や夜行性といった、人間と前提条件が違う為に相手取る時は注意が必要だ。



…………ここまでだな。

「シェリー君。」

「未だやれます!」

「シェリー君、「未だ私は負けていません!」

私の言葉を遮って、訊いても居ない事を答える。

完全に冷静さを欠いている。






「シェリー君、もう諦めたまえ。」

シェリー君の顔が真っ青になった。


もう、勝ち目は無いという事ですね。


感想、評価、ブクマ、レビュー………お待ちしています。

ブクマしてくれた方、有り難う御座います。遂に299人の方がブクマをして下さいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ