表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
シェリー君の帰省と(夏休み後編)
135/1781

最後通牒


石の雨。

最終的に投石機によって飛来した石は誰の頭にも当たる事無く、100個とも地面に減り込み、周囲の地面にヒビを入れた。

「へ……ヘヘヘヘ脅かしやがってよ!」

脅しでは無い。これは残念ながら君達を倒す為の一手だ。

「俺達を舐めてるのか?」

私は舐めている。が、シェリー君は決して君達如きであれど油断はしていない。

「もうネタ切れか?」

これが最後のネタへ繋がる一手だ。

それが証拠にシェリー君はある一点から一歩も動いていない。

「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ………逃げらんねぇぜ。」

君達がな。

全く。下卑た笑みと手付きが厭らしい。教育に悪くてしょうがない。

「これが最後通牒です。

大人しくこの場から逃げて(・・・)下さい。

もし………あなた達が今夜、悪夢を見たくないのであれば、素敵な夢を見たいのであれば、直ぐに立ち去って下さい。」

シェリー君が宣言する。

が、そんな事を聞く様な賢い輩がこの場に居る訳がない。

「囲めェ!その後死なネェ程度に痛めつけても構わネェ!」

指揮官が折角の忠告を完全無視。最早勝ちの目が完全に喪われた。


彼らの……………な。


地面に減り込んでいった石が徐々に沈んでいく。

合計100ヵ所のヒビが広がり、繋がり、地面全体がひび割れていく。

「な………何だぁ?」


この地域一帯の性質を知らず、ここが敵の有利な陣地のど真ん中だという事を忘れ、先程まで自分達を近づけもしなかったシェリー君を舐めて投石の意味を考えなかった。

地面のヒビがどんどん広がっていく。

賊共が足を踏み鳴らしてシェリー君を追い詰めに行く。それが更にヒビを大きくしていき…………………………




バキ  バキバキバキバキバキバキ

「オイ!」「何だ何だ⁉」「やべーぞ!」「どうすんだ?」「クソが!」

パニックが伝染し、





地面の下の泥沼へとシェリー君以外の全員が沈んでいった。






この一帯は沼地、湿地、泥の地面である。

この虚構の村が有った場所は元々大きな泥沼であった。

そこに乾いた土や砂で蓋をして、仮の地面を作っていた訳だ。

その蓋に、例えば投石でヒビ割れを作り出したらどうなるか?

虚構の村は崩れ、元々あった泥沼が顔を見せる。

シェリー君以外の皆が泥沼へと沈んでいった訳だ。



「倫敦橋落ちた。落ちた。落ちた。ハッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!!!」

高笑いが響き渡る。

といっても、この嗤いが聞こえるのは私とシェリー君のみ。

泥沼に嵌って動けない賊共には聞こえないし、身動きも取れない。

一人だけ無事なシェリー君はその様子を冷静に見ながら、こう、言った。







「もう、容赦はしませんよ。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ