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未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
シェリー君の帰省と(夏休み後編)
133/1781

第三段階→第四段階


第一段階…偽の村に賊を誘い込む。

第二段階…賊を糸で拘束して行動を制限する。

第三段階…糸を斬らせて消耗をさせつつ地形を利用して時間を稼ぐ。

第四段階…???



「えぇい!お前ら何をしている!」

指揮官が怒りを滲ませて発破をかける……否、『当たり散らしている』が正しいか。

「お前ら下がれ!俺がやる。」

そう言って剣を突き出してシェリー君に向ける。

「燃えな!」

またしても火の玉をぶつけに行く。

他の連中はシェリー君に剣を向けた段階で距離を取り始めている。

面倒だ。何人かそこらの賊を盾にするか?……いや、駄目だな。

今回はシェリー君主体で暴力はご法度。

シェリー君は実際、教えた合気の類は使ってこそいるものの、まともに暴力と呼べ得るものは振るっていない。

シェリー君は賊に流れ弾が当たらない様にうまく距離を取りつつ、その上で自分にも一切火の玉を掠らせてもいないが、流れ弾がハリボテにぶつかり炎上する。

幾つも幾つも火の玉がハリボテにぶつかり、激しく燃え上がる。

「燃えろ燃えろ燃えろ!当たれェ!」

全く、放火魔の台詞を聞かされているような気分になる。

ここまで間抜けなら、本来は家一つ焦がすのさえ無理だろうがね。

「シェリー君、」

「承知しています。もう少しで仕掛けが来ますので持ちこたえます。」

ハリボテの家がほぼ全て炎上して倒壊し、障害物が無くなる。

「オラオラオラオラオラオラオラオアラ!」

射線を通せるようになって調子に乗った指揮官が一歩一歩、虚構の村へと踏み込んでいく。

「お前ら!邪魔なハリボテは全部燃やした!サッサと捕まえろ!」

火の玉から逃れていた賊共が、障害物の無くなって動きやすくなった所でシェリー君に突撃する。

動きが鈍いお陰で直ぐに窮地に陥るという事は無いが、環境的優位が無くなった事でシェリー君が手こずって来た。

先程まではあちこちのぬかるみやハリボテの家を利用して疑似的な一対一へと持ち込んでいたが、今は一対多数となっていた。


突き出される槍を屈んで躱した次の瞬間には、上段から振り下ろされた剣が頭上から迫り、それを屈んだ状態のまま横っ跳び、しかしその先には跳んだシェリー君を打ち上げようと槌を持って狙いを定める賊が………

先程までは攻撃に対してカウンターを仕掛けていたが、今は完全に回避に総力を回していた。

このままいけば消耗戦。確実に勝てる訳が無い。

「手伝おうかね?」

シェリー君に問う。

「教授、分かっていて私に言っていますよね?」

非難めいた口調でまたしてもそう言われた。

「バレたかね?」

「隠す気が皆無ですから。」

そう、先程から私はニヤニヤしながら、しかもそれを声に反映させて喋っていた。

何を言いたいかといえば、シェリー君の計画通りに運んでいる今の状況が笑えて仕方ない。

このままいけばシェリー君の負け。

が、

シェリー君の次の一手によってこの戦況は引っ繰り返される。








ヒュン

空から一手が到来した。


既に多対一で回避最優先でもやり合えているシェリー君は既に教授に毒されている気がして不安です。

夏休み以降のシェリー君を如何しましょう?

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