表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未来の黒幕系悪役令嬢モリアーティーの異世界完全犯罪白書  作者: 黒銘菓
シェリー君の帰省と(夏休み後編)
107/1781

悪党の格と空から降って来た女の子

本作が2019/8/31 日間ファンタジー異世界転生/転移ランキングBEST300の281位に食い込みました!

ガンガン書いている人から言わせれば大したことは無いのかもしれませんが、私にとっては大きな進歩です。

皆さん、有り難う御座います!



人の泣き喚く姿、人が僅かな希望を喪って跪く姿、信頼する人間に裏切られて絶望する最期の姿……………………他人(ひと)が大切な何かを喪い、心から死に絶える瞬間は素晴らしく醜く、無様で、みっともなく、それ故に私は愉しくてしようがない!



が、目の前の小僧には全く共感できない。



何故なら、私が愉しいのは、満たされ、どころか醜く肥え太って他人を陥れ、辱しめ、踏みにじる側の輩を、搾取する(・・・・)側を破滅させる瞬間であるからだ。

要は、錆びた鉄屑で怯えた爺を害して喜ぶ小物とは相容れない。 どうせ破滅を見るならば、たかが過疎化した田舎村の村長よりも、一国、しかも周辺諸国に脅威とされるような一国の王を破滅させ、国ごと滅ぼす方がずっと良い。

『弱い者虐め』?私の数学書にはそんな文字は存在しない。

『国堕とし』・『他人の不幸は蜜の味』なら有るがね。

さぁて、目障りな小物は黙らせると………まぁ、不要か。

錆びた鉄屑を突きつけ笑う小僧の背後上空からフワリと何かが落ちた。




ゴッ(ゴッ)




鈍い2つの音が1つに重なり、小僧は気付く間も無く意識を刈られて地面に叩き付けられた。

「私にも…切れる堪忍袋の緒は有ります。」

落ちて来たのはシェリー君、2発喰らわせたのもシェリー君。

それはそれは無音で強力な、見事な不意打ちだった。








我々が何処に隠れていたか?

人間だけでなく、荷物も隠さねば存在が露見する状況下で、ロクに隠れ場所も無い中、シェリー君が選んだのは………上だった。

梁の上、荷物(+熊)を糸で滑車の要領で引き揚げ、その後、身軽な自分は自力で跳び上がった。

跳ぶのも、ただ跳んだわけではない。

梁の上まで補助無しに跳びあがる。なんて芸当は出来ない。


覚えているだろうか?脳筋の使っていた身体能力を強化する魔法の事を。

あれを見たシェリー君はそこから自力で学び、短時間だけ、自身の身体能力を跳ね上げることに成功していた。


それを用いて、兎真っ青な跳躍を可能にしたシェリー君は、一跳びで梁まで飛び上がった。というわけだ。


私は無論関与していない。

『隠れるとしよう。』そんな事を提案する前にシェリー君は持ち物を糸で縛り、梁の上にそれを滑車よろしく持ち上げ、その糸の一端をくくり付け、魔法で跳躍。そして荷物についている糸を引っ張って糸を回収。証拠隠滅をして、息を潜めて押し込み強盗の暴徒をやり過ごし…………ていたのだが、小僧が剣を抜いた辺りでシェリー君の堪忍袋の緒が引き千切れ、梁から音も無く飛び降り、落下の勢いを利用して頭を揺らした訳だ。

これが複数名を相手にしたものならば悪手だが、一人相手ならこれでまぁ十分だろう。

「……………シ…………ェリー、ちゃん?」

蒼白な顔と涙で酷い事になっている村長はシェリー君を見て混乱と恐怖でどんな顔をしていいのか、どんな感情を露わにすれば良いのか解らないで居る。

剣を突き付けられて殺されかけ、と思ったら久々に会った平凡な少女が明らかに素人では無い動きで小僧を仕留めた。

小さな村であろうが大きい都市であろうが、そんな劇的な刺激には滅多にお目にかかれまい。


別にラピ○タは狙っていませんでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ