家政婦辞めようと思います③
今話も読みにきてくださってありがとうございます。
最近寒暖差が大きいのでご注意くださいね。
今日はできたらもう一話投稿できればなと思ってます。
今作もいよいよ終盤で、まもなく終わる予定です。
最後までお読みいただけると嬉しいな。
一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。
翌日はゆっくりすればいいと言われたが、なんとなく落ち着かず目が覚めてしまった。二人で朝食を食べた後、私は何か手伝える事はないかとメリンダさんに聞いた。
「そうだねえ。とりあえずそこの薬草を広げて乾かしてくれるかい? 風魔法でもいいんだけど、自然に乾かす方が上手くできるんだよ」
メリンダさんは朝食前にすでに薬草を収穫してきていた。
「この薬草は何に使うのですか?」
私が訊ねると、メリンダさんはフフと笑った。
「魔女の薬草は風邪薬から媚薬まで色々さ」
「び、媚薬ですか…」
少し顔が赤くなってしまっているだろうか?私には縁のない薬だ。
「そういえばティナ。少しそのネックレスを見せてくれないか? それには付与がついているね」
さすがメリンダさん。ネックレスは首にかけて服の下にしまっているのに付与がかかっているのがわかるなんて凄い。
「ええ。レオニス様にかけていただきました」
私は首からネックレスを外すとメリンダさんに差し出した。
「おやおや。あの子ってば心配性というか、過保護というか……。見方を変えれば一種の束縛だねえ」
メリンダさんはネックレスを見つめると独り言のように呟いた。
「え?どういう事ですか?」
「レオニスが帰ってティナの手紙を読んだら、すぐにここに来るだろうね」
えっ、なぜここに来るかわからないがそれは困る。まだレオニス様の話を聞く心の準備も、私のこれからについての心の準備もできていない。
「どうしよう……。私、まだ心の準備ができなくて」
焦る私にメリンダさんはニコリとして言った。
「じゃあレオニスが来ている間は猫にでもなってればいいさ」
え? 猫って言いました?
メリンダさんが呪文を唱えると、転移の時のように視界がぐにゃりと歪み、そして収まった。
そして……床が近い! キッチンの扉は壁のように立ちはだかり、机はまるで山のようだ。
「私、本当に猫になったの!」
そう言葉にするも、ニャニャッとしか声が出ない。
「うんうん、可愛い白地に茶のハチワレ猫だね」
ナデナデ……。
「この毛並み。この肉球。猫を飼うのもいいもんだね」
メリンダさんはご機嫌で私の肉球をぷにぷにしている。
「大丈夫なんですか? これ、元に戻れるんですよね?」
心配になって聞くも、やっぱりニャーニャーとしか声が出ない。
「大丈夫、大丈夫。後でちゃんと戻すから心配はいらないさね」
メリンダさんはパチンと魅力的にウインクをしてくるが、不安が拭えない。
「そろそろ来たみたいだね」
メリンダさんがそう言った後に馬の駆けてくる音がした。
「メリンダ! ティナは? ティナはどこだ?」
パンと大きなドアが開く大きな音がして息を切らせたレオニス様が入ってきた。
読んでいただきましてありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
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