レオニス視点〜王子と王女と俺
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昨日はたくさん読みに来てくださってありがとうございました。
相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。
一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。
〜レオニス視点〜王子と王女と俺
せっかくの休日だったあの日、突然王宮の使いが陛下からの手紙を持ってきた。
嫌な予感しかしない。
案の定、陛下からの至急の呼び出しだ。
「ティナ。陛下から至急の呼び出しだ。ちょっと行ってくる」
「はい、レオニス様。お気をつけて」
モンターニュ侯爵の件もだいぶ片付いて、今日はティナとゆっくり過ごす予定だったのに。
くだらない用件だったらすぐ帰ろう。
「陛下。レオニス様がいらっしゃいました」
執務室の前で近衛が声をかけると陛下の声がした。
「ああ。待ってたぞ。入ってくれ」
中に入ると、いつもの宰相の他にもう一人いた。
この国の第一皇子であるライル皇太子殿下だ。
王族らしいプラチナブロンドに青い目の王子だ。勤勉で周りからの評価も高い。
「ライル殿下もいらしたのですか」
俺が殿下に向かって言うと、殿下は微笑んだ。
「今回は私絡みのお願いなんだ」
ますます面倒な予感だ。
「まあ、座ってくれ」
宰相の言葉にソファに座るが、顔に出ていたのだろう。
「レオニス。まあ、そう警戒するな。今回はある意味楽と言ってもいい仕事だ」
「陛下の仕事が楽だったことなど一度もありません」
休みを潰されたのだ。陛下にこれくらいの嫌味を言っても許されるだろう。
「まあ、そう言うな。とにかく話を聞いてくれ」
「ここからは私が」
そうしていつものように宰相が話し出した。
結論から言うと今回の任務は隣国の第二王女の護衛だ。それも魔法師団からは俺一人。
ライル殿下と婚約話が上がっているレティシア第二王女が隣国ルーンからやってくる。
しかし、モンターニュ侯爵派の残党が他国との婚姻を阻止したいとレティシア第二王女を狙っているとの情報が入った。
王宮に閉じ込もってくれればいいのだが、我が国の視察と交流の名目でくるのだからそうはいかない。
「さっさと婚約を発表してしまえばいいじゃないですか」
俺が言うと、陛下はため息をついた。
「そうできたらいいのだが、王族の結婚というものには順番があるのだ」
宰相によると、ルーンの第一王女の婚約が近々控えており、第二王女のレティシアが先に婚約を発表するわけにはいかないらしい。
貴族でも面倒なのに、王族となるとさらに面倒しかない。
「そこでレオニスの出番だ。発表前に婚約を匂わせない為にはあまり仰々しい警備もつけられない。さらに王女の予定もあるから部屋に閉じ込めるわけにもいかない」
陛下の言葉を宰相が続ける。
「それにレオニスのその無駄に整った顔はライル殿下との婚約の噂も目立たなくしてくれるかと期待している」
無駄とはなんだ。
「つまり俺は何したらいいんだ」
宰相の要領を得ない説明が嫌になる。
早く帰ってゆっくりしたい。
「はやい話がレティシア王女のおもりだな。レティシア王女を護衛しながら、彼女が行きたいところ、したい事に付き合ってくれ」
俺は深くため息をついた。
「期間はどれくらいです?」
「そうだなあ。王女が帰るまでか、第一王女の婚約が発表されるまでだ。一週間か二週間か、さらにもっとかもな」
「嘘ですよね。夜は帰れるんでしょう?」
帰れると言ってくれ。
「どこから情報が漏れるかわからんから、レオニスも王宮に寝泊まりしてもらう」
「なんてことだ……」
ティナにしばらく会えなくなるじゃないか。
打ちひしがれる俺にライル殿下が声をかけて来た。
「レオニス。レティシア王女には我が国で楽しく過ごしてもらいたいんだ」
しょうがない。俺に拒否権はないのだ。
「それと言っておくけど、レティシア王女に擦り傷ひとつでもつけたら国際問題だからね。よろしく頼む」
そう言って微笑む殿下はさすが陛下の息子だ。彼もまた、一筋縄ではいかない人物なのか。
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