エレナ③
今話も読みにきてくださってありがとうございます。
この話は次回と繋げようと思ったのですが長くなってしまったので分けました。今日中に次の話あげれそうならあげますね。
相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。
一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。
レオニス様が家を空けてから、さらに1週間が経った。
その間にレオニス様は二度帰っては来たのだが、着替えをとりに来たと言って、すぐに戻って行った。
「ティナ。家を空けてしまって済まない。もう数日したら戻れると思うから待ってて欲しい」
そう言って私の頭をいつものように撫でたレオニス様は、女性の香水のような甘い香りがした。
「あの……私が着替えを届けましょうか?」
そう言ってみたのだが、レオニス様は何故かぎくりとした様子になった。
「いや、それは大丈夫だ。こっちのことは気にしないで、ティナは魔法の訓練を頑張ってくれ」
明らかに挙動不審だが、私に追及する権利はない。
「わかりました。お気をつけて行ってらっしゃいませ。おかえりをお待ちしてます」
「う、うん。行ってくる」
そんな短いやり取りのみだ。
一体レオニス様はどんな任務をしているのか。
今日も私は魔法師団に訓練に行っている。
今はただ、レオニス様に言われた水魔法の訓練をするしかない。
魔法師団の門を潜ると、団員の皆が練習しているのが見えた。
「やあ、ティナちゃん。いらっしゃい」
「バリルさん。おはようございます」
水魔法の得意なバリルさんはカインさんが忙しい時訓練を見てくれる。
「今日はカインさんは会議に行ってるから俺が訓練するよ」
「よろしくお願いします」
私はそう言うと、バリルさんの待つ訓練場に入った。
「アンタ、魔法師団員でもないのにまたきてるの?」
後からやってきたエレナさんが私に向かって言った。
「エレナ! そんな言い方はないだろう? ティナちゃんは団長の……」
バリルさんはそこまで言って口を押さえた。
「?」
何だろう。家政婦だと言ってはまずいのか。
「はっ! 嘘でしょ? カインさんだけじゃなくて団長にまで色目使ってるって言うの? 団長は渡さないわよ」
どういう事だ? エレナさんは団長と何かあるのか?
「あの……。レオニス様は今どこに?」
私がバリルさんに聞くとバリルさんは困った顔で言った。
「俺たちもよくわからなくて。ごめん」
「こんな女と一緒に訓練なんてしてられないわ」
エレナさんはそう言って訓練場から出て行ってしまった。
「ティナちゃん。俺が余計な事言ったから……ごめん」
バリルさんが謝ることはない。
「いえ、私こそ。団員でもないのに図々しく来たせいで、エレナさんを嫌な気持ちにさせてしまっていますよね……」
「そんなことないよ。エレナももう少し打ち解けてくれるといいんだけど。訓練には熱心に取り組んでるんだけどね。さあ、ティナちゃんの訓練を始めよう」
バリルさんはそう言ってくれるけど、私のせいで魔法師団がうまくいかないとなるとレオニス様にも申し訳ない。
訓練を終えて、私はバリルさんに思い切ってエレナさんの住んでいるところを聞いてみた。
「あの、私エレナさんと話してみたくて。ダメかもしれないけれどお家に行ってみたいんです」
バリルさんは驚いた様子だったが、無理はしないようにと言ってエレナさんの住んでいるところを教えてくれた。
読んでいただきましてありがとうございました。
少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。
投稿ペースは以前より少しゆっくりになるかもしれませんが、よろしくお願いします。
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