レオニス視点 新団員
今話も読みにきてくださってありがとうございます。
早く涼しくなるといいな。毎日暑すぎる。
相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。
一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。
◇レオニス視点◇
魔法師団の執務室にて。
「そろそろティナちゃんが来てから二年か……。一体レオニスはいつになったらティナちゃんに告白するのさ」
カインが執務机に頬杖をついてしみじみと言う。
「な、何だ。いきなり」
仕事中は団長呼びや敬語を使うカインだが、プライベートは呼び捨てだ。
「お前ら見てたら…こう、何だか歯痒いんだよ。好きなら好きと言っちまえ」
「しかしだな……。俺は年も結構上だし、もしも保護者としか思われてなかったらと思うと……。告白して、ティナが気まずくなって離れて行ったらどうするんだ」
それが怖くて一歩が踏み出せないのだ。
「そうか。それならティナちゃんを他の男に取られてもいいんだな。それでも保護者面して送り出してやれるのか?」
カインに言われてティナが俺以外の誰かと恋人になっているところを想像する。
例えば、魔道具店のモーリスとか。
ティナがモーリスを連れて俺のところに来てこう言うんだ。
「レオニス様。私モーリスと結婚します。今までお世話になりました」
絶対に嫌だ。
「……ちょっとモーリス殺してきていいか?」
「何でそう言う話になった?」
カインに言われて改めて実感する。
俺はティナを誰にも渡したくない。
「かと言って、そんなに簡単に告白できたら苦労しないんだよな……」
最近は朝、良くティナの夢をみる。
どんな夢かというと、朝起きるとベッドでティナを抱きしめている。それから微笑みあっておはようと朝の挨拶をすると言うものだ。
夢は妙にリアルで、本当にティナを抱きしめているような柔らかな感触とティナのいい香りに包まれる感じがする。
いよいよ欲求不満なのか。
ダメだ。頭を仕事のことに切り替えよう。
「ところで、新しく魔法師団に入ったエレナとかいう団員はどんな様子だ」
俺は、カインに問いかけた。
「はぐらかすのか? まあ今日のところはいいか」
そしてカインは副団長の真面目な顔になる。
「新しい団員のエレナは魔力も高めだし、すでに即戦力になるくらい水魔法は使える。だがな……」
「どうした?何か問題か?」
躊躇するなんてカインらしくないな。
「ちょっと性格がアレなんだよな……」
「アレとは?」
まあ、とりあえず会ってみればわかるよ。
俺とカインは立ち上がると魔道師団の訓練場に向かった。
「だから〜、何度も言ってるけどまずは自主練や先輩団員に教わるんだってば」
「だから、私はあなた達なんかに教わらなくても十分強いって言ってるじゃない。私はレオニス様に訓練していただきたいの」
「団長は忙しいから、お前なんかに教えている暇はないよ」
「誰もアンタなんかに聞いてないわよ。レオニス様にはいつ会えるの?早く合わせてよ。そのために魔法師団に入ったんだから」
聞こえてくる団員達の声で、もう頭が痛い。
「まあ、こういう感じだ」
カインが言ってた意味がわかった。
新しい団員のエレナはノエルと言い合っている。
リードやザックとも控えめに言ってあまり友好な関係ではなさそうだ。
他の二人は様子見といったところか。
「皆、訓練頑張っているか?」
俺が声をかけるとエレナはさっきまでとあからさまに違う高い声で話しかけてきた。
「レオニス様! お会いできて光栄です。新しく入団しましたエレナです。よろしくお願いします」
チラリとノエル達の様子を伺うと口をあんぐり開けて驚いている。
「君がエレナか。どうだ? 皆と訓練を頑張ってやっているか?」
声をかけるとエレナは高揚した顔で勢いよく頷いた。
「はい、もちろんです。でも私はレオニス様に教えていただきたいです」
そう言いながら俺の腕を触ろうとしているので、さりげなく避けた。
こういう女は出たくもないパーティにいる奴らだけで十分だ。
「生憎だが俺は多忙でな。うちの団員は皆優秀だ。先輩達に訓練を見てもらってくれ。カイン、後で報告を頼む」
はあ。纏わりつかれたら厄介だな。
こんな時は無性にティナに会いたい。
早く帰ろう
読んでいただきましてありがとうございました。
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