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魔力量を調べます

今話も読みにきてくださってありがとうございます。

相変わらず誤字脱字が多くてすいません、報告お待ちしております。

お盆過ぎたのに暑すぎる…。


一迅社様より「地味な私が転生したら王太子妃の取り柄のない妹だったので、自立の為に頑張ります」の書籍化が決まりました。発行をお楽しみに。

「今日は悪かったな。俺が忘れ物をしたせいで、ティナに嫌な思いをさせたんじゃないか?」


家に帰り、夕食を食べ終わった後、レオニス様は私に言った。


「いえ、魔法師団がどんなところか興味がありましたし、魔法師団の皆さんもいい方ばかりで楽しかったです」


魔法師団の方々は本当に楽しい良い人ばかりだ。


「そう言ってくれるのはありがたいが、問題は騎士団だ。あいつらは何かと魔法師団にちょっかいをかけてくるんだ」


「ノエル達に聞きました。騎士団の副団長様が気難しい方なんですね」


確か貴族の方でマルフォンとか言う方だ。


「気難しいで済んだらいいんだが、あいつは実に厄介だ。全て自分の思い通りにならないと気が済まない駄々っ子だ。そんなやつが権力まで持ってしまったからタチが悪いんだ。父親も似たようなもんだしな」


「そんな方なんですね。できれば関わりたくないですね」


レオニス様はため息をついた。


「向こうがちょっかいをかけてこないといいんだがなあ」


レオニス様に悲しいお顔をさせてしまった。慌てて話題を変える。


「あ、あの。ところでなんですが、魔法師団の方にレオニス様が魔力量を調べられると聞いたのですが、私の魔力量を見てもらうことは可能でしょうか?」


自分の魔力量を見極めて、それに伴った訓練をすることができれば、少しは私もレオニス様のお荷物にならずに済むかもしれない。


「そうだな。俺も一度ティナの魔力量を調べてみたいと思ってたんだ。ティナは自分では魔力が少ないと思っているが、実は多いと言う場合もないとは言えないからな。今すぐ測るか?」


あー、多分ほとんどないやつだ。


「少ないと分かっても大丈夫です。お願いします」


レオニス様は私の重ねた手を両手で握って目を閉じた。


真剣な表情にドキリとしてしまう。


「……ティナの魔力量は割と多い方だな」


「え?」


思ってもみなかったことを言われて驚く。


多いならもっと多くの水魔法が使えると思うのだが。


「だが、魔力の流れが所々細くなっていて上手く流れないようだ。それで魔力が少ししか使えない状態のようだ」


「そんな事があるんですか?」


「俺もそんな人物にあったのは初めてだ。訓練すればもっと多くの魔力を使えると思うぞ」


「本当ですか?私ももっと水魔法が使えるようになりますか?」


「ああ、俺がみてやるから焦らずにゆっくりと訓練していこう」


はしゃぐ私の頭をレオニス様は優しく撫でた。


子供扱いなのか、最近レオニス様がよく撫でてくれる。


嬉しいのだが私はもう十五歳。子供ではないのだが。


やっぱり背と胸が小さいからなのかな。


次の日、早めに帰ったレオニス様は、夕食後私の魔力の流れを見てくれると言った。


ただし、一度に大量の魔力を流すようにするには体が心配ということで、長い期間で少しずつ魔力の流れを開いていくことになった。


食事を終えて、洗い物を済ませるとレオニス様のいるリビングに行く。


「ティナ、準備はいいか?隣に座ってくれ」


私がレオニス様の隣に座ると、レオニス様は少し言いにくそうにした。


「実は魔力の流れを促すには、俺の魔力を少しずつティナに流す必要があるんだが……」


「はい、お願いします!」


念願の魔力量アップの為なら多少の痛みは我慢する心構えはできている。


「少しくらい痛くても平気です!」


「いや、少し熱いくらいで痛みはほぼないと思うんだが……その……」


痛みがないならまったく平気だ。もしかして熱さがとんでもないんだろうか。


「ものすごく熱いのですか?」


でも頑張って耐える!


「いや、熱さもそんなに大したことはないのだが……その…俺がティナに直に触れる必要があるんだが…」


「えーと、それは手とかでいいのでしょうか?」


レオニス様は少し顔が赤いようだ。


「できれば魔力の中心のへその上あたりなんだ。もちろんティナが嫌なら無理にとは言わない。他に方法がないか考えてみる」


「えっ、おへその上に……直に……ですか?」


こくん。


レオニス様が、頷く顔を見て急に私の顔に熱が集中する。


「あっ、えっと、もちろん大丈夫です。よろしくお願いします」


レオニス様はご厚意で魔力を流してくださるのに私が恥ずかしがっている場合ではない。


「どうぞ!」


私はペロンと洋服を持ち上げ、お腹の部分を見せる。


レオニス様の顔が見れず、私は下を向いている。


「ではやるぞ。もし気分が悪くなったり、暑すぎたり我慢できなくなったらすぐに言うんだぞ」


レオニス様の温かい手のひらが私の胸の下のあたりに触れる。


「ひゃっ」


思わず変な声が出てしまいレオニス様が手を引っ込めた。


「すいません、大丈夫です。続けてください」


「あ、ああ」


再びレオニス様の手のひらが私のお腹の更に上の方に触れるが、なんとか我慢した。


「魔力を流すぞ」


いっぱいいっぱいで頷くことしかできない。


「あ……あったかい」


レオニス様の触れているところから温かいものが身体中にじんわり広がっていくのがわかる。


優しい。まるでレオニス様に包まれているようだ。


なんだか気持ちよくて、頭がぼうっとしてきて何も考えられない……。


「今日はこのくらいにしておこう…。ティナ?ティナ!大丈夫か……?」


レオニス様の心地よい声がひどく遠くに感じる。


そして気がついたら翌朝だった。


私はあのまま気を失ってしまったらしい。


気がついたら自室のベッドに洋服のまま寝かされていた。


レオニス様に二階の自室まで運んでいただいたのだ。


なんて申し訳ない。


読んでいただきましてありがとうございました。

少しでも楽しんでいただけたなら嬉しいです。

投稿ペースは以前より少しゆっくりになるかもしれませんが、よろしくお願いします。

感想、ブックマーク、評価もよろしくお願いします。


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