表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/1001

ギルドいきてぇ

 国内最大級というだけあって、王都の冒険者ギルドははんぱなくでかい建物だった。魔法学園の本棟にも匹敵する。


 まずは受付にいく。長いカウンターには十数の窓口があり、それぞれに受付嬢が座り仕事をこなしていた。

 その中の一つに向かい、学生証を取り出す。


「あの、魔法学園の冒険者クラブから来たんですけど」


「はい。ようこそ冒険者ギルドへ。本日のご用件は?」


 受付の女性は大人びた営業スマイルで応対してくれた。

 半ば無意識的に『イヤーズオールドアナライズ』を発動してしまう。二十四歳。何で今使っちゃんたんだ。


「えっと、今からできる依頼はありますか?」


「今から? あるにはあるけど、もう日が暮れちゃうわよ? 学生さんには、少し荷が重いかも」


 たしかに、夜にモンスター退治とかは、よほどの手練れじゃないと自殺行為みたいなもんだよな。


「危険じゃなければいいです。何かありませんか?」


「そうねぇ……」


 お姉さんはパラパラと手元の書類を検める。


「ああ、こんなのはどう? 報酬は即金で2万エーン。ナハトモスクの採集なんだけど」


「ナハトモスク?」


 なんだそりゃ。


「ナハトモスクは薬草の一種ですよご主人様。夜にしか咲かない光る花をつけるんです」


「あら、詳しいのね」


「さすがサラだな」


「えへへ」


 こういった知識面で助けてくれるのは大変ありがたい。


「街を出て二キーロメントルほど歩いたところに群生してるわ。近いんだけど、夜はモンスターが出る可能性もあるからね。ラットマウスだけど」


「うーん」


 俺は顎を押さえる。


 ちなみに、一メントルはちょうど一メートルで、千メントルで一キーロメントルになるのだ。非常にわかりやすい。


 そしてラットマウスというのは、訓練を受けていない子供でも無双できるようなザコモンスターだ。ちょっと大きなモルモットくらいのサイズだな。正直こいつらなら、何匹出てきても怖くない。


「条件は悪くないな。セレン、どうだ?」


「かまわない」


「なら決まりだ。お姉さん、その依頼受けるよ」


「はい。じゃあこの書類にサインを。すぐに向かうかしら?」


「ああ」


 俺は提示された書類にサインをしながら、そこに書いてある依頼の詳細を確認する。


「気をつけてね。F級相当のあなた達には簡単な依頼しか出せないけど、結果を出せばランクも上がっていくわ。頑張ってね」


 なるほど。そりゃ、セレンの為にも頑張らないとな。


「よし、パーティ結成初の依頼だ。気張っていこうぜ」


 俺が言うと。


「えいえいおー!」


 サラが元気よく拳を突き上げ、


「おー」


 セレンが無感動に真似をした。


 まぁ、薬草を採ってくるだけだ。そんな大したことにはならないだろう。

 ラットマウスごときに後れを取るとは思えないしな。


 ま、さくっと終わらせて二万エーンゲットするかなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ