完全決着
「魔王がこんなドM女だったなんてな。マーテリアもさぞがっかりしてることだろう」
「そんなっ……」
息を荒げて腰を突きあげるアン。秘部が丸出しになっていても、隠す素振りすらない。
それどころか、俺が見れば見るほどアンの興奮度は増していく一方だった。
「おら」
今一度、アンの尻を叩く。
「んんっッ!」
アンの口から漏れるのは、苦悶というより快楽だった。
「なるほどな。お前、癖になってるだろ」
「な、なにがです……?」
「前世界で俺がお前の感度を四千倍にしたことで、その後遺症が魂に刻まれてるんだ。瘴気を持っていたせいで、世界が創り変えられても記憶と一緒に引き継いじまったんだな。まったく同情するぜ」
「このっ! 一体誰のせいでっ!」
両手をアンの両尻に叩きつける。
「んいいぃっ――!」
背筋をのけ反らせ、アンは尻を突きあげたまま床に頬をつけた。
「自業自得だろ。魔王として世界を破滅に陥れた。ドMになるくらいで済んでよかったじゃねぇか。慈悲深い俺に感謝してほしいくらいだ」
返事はない。どうやら尻を叩かれただけで絶頂に至ったようだ。もう憎まれ口を叩く余裕も感じられない。
「マーテリア復活の方法。そろそろ教える気になったか?」
アンはただ荒い息遣いを続けるだけ。
溜息しか出ないね。
「おいアン。お前本当にマーテリアを復活させる方法を知ってるのか? もしかして知らないんじゃないだろうな」
「知って……います……でも、あなたには……教えませんっ……」
「ふーん」
こいつの言っていることがウソかホントかは、これからじっくりと確かめさせてもらうしかない。
俺にとっても重要な情報だ。
もしマーテリア復活の方法があるのなら、エレノアから神性を引きはがす方法があるということでもある。
下着をずり下げられ、秘部を濡らすアンに、もはや魔王の威厳など微塵もない。
白い肌を上気させ、尻を赤く腫らし、艶めかしい吐息を続けている。
今のこいつは、ただ性の快楽に翻弄される一人の女でしかなかった。
ったく。こうなったら、仕方ねぇか。
「おいアン。こっちを見てみろ」
四つん這いのままこちらに振り返るアン。
その黒い瞳が大きくなった。瞳孔が開き、目の前の光景を網膜に焼き付けようと必死の様相だった。
それもそのはず。
俺はズボンをずらし、いきり立ったイチモツを露わにしていたからだ。
「そ、そんな……い、一体なにをするつもりです……!」
「純情ぶるのはやめろ」
「や、やめなさい! 魔王であるあーしにそんな狼藉は到底許されないっ」
「そんな期待に満ちた目をして、説得力がねぇんだよ」
俺はゆっくりと腰を下ろし、アンのほっそりとした腰を鷲掴みにした。
「あ、あ……!」
この後何が起こったのかは、わざわざ言葉にするまでもない。




