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頂上決戦

「サニー。久しぶりだな」


『顔が見えないのが残念だ』


「終わるまでの辛抱だな。首尾はどうだ?」


『生き残りを視認している。数は七、いや八』


「こっちも見えてる。その内の四人が五星天だ。注意しろ」


『了解』


 急襲部隊は各国の最精鋭を集めた選りすぐりだ。

 意志の力、超絶神スキルなど、女神の力に対抗できる者だけを選抜した少数精鋭部隊。その人数は七名だった。

 サニーの他には、エカイユのハラシーフ、ヒーモ・ダーメンズがおり、アデライト先生もそこに加わっている。残り三人は知らない。サニーの仲間らしいから、大丈夫だろう。


『攻撃を開始する』


 急襲部隊は焦土と化した広場に進撃し、五星天と接敵する。彼らの役目は五星天の排除ないし拘束だ。大魔法で仕留めそこなった時に備え、編成していた。

 俺はここから彼らを援護する。俺の任務はまだ残っているから、ここででしゃばるわけにはいかない。


 急襲部隊で先陣を切ったのはハラシーフだった。大斧を担いで、一直線に前進。

 それを迎え撃ったのはムサシだ。


「クィンスィンの侍か! 人間の中で最も戦闘に長けた部族と聞く! 決闘を申し込む!」


「なんと! 潔いでござるな! 果たし合いなら望むところでござる! かかってこいでござるよ!」


 ムサシは二刀を抜き、ハラシーフと激突する。

 あの二人とはどちらともやり合ったことがある。どちらが勝つかはわからない。ただ、タイマンならハラシーフに分があるだろう。ムサシも強いが、あいつは童貞だし。


 次いで戦闘を開始したのはサニーとその仲間達だ。彼らは迷わずティエスを狙った。ネオ・コルトの統領だから当然だ。


「仕留めるぞ」


 サニーの接近を見て、ティエスは豪快なバックステップで距離を取る。


「グランオーリスのサニー・ピースですか。これはちょっと、まずいかもしれませんねぇ」


 額に汗をかきながら、ティエスはメイスを手に戦闘を開始した。あいつ自身の戦闘力がどんなもんかはわからないが、サニーには勝てないだろう。

 そんな中、アデライト先生の魔法が教皇とその騎士達を捉えていた。フレイムボルトだ。だが、教皇が展開したバリアが直撃を防いでいた。


「猊下! ご無事ですか!」


「うん」


 教皇は三人の騎士に守られ、アデライト先生と対峙する。


「今のを防がれるとは思いませんでした」


「女神の御力はすごいんだ。魔法なんか効かないんだ」


 教皇は自慢気に言う。


「そうですか。では私もちょっと本気を出しますね」


 アデライト先生が眼鏡を上げ、杖を振るう。

 激しい魔法対決が始まった。


 そして。

 三つの戦闘に囲まれたところで、ヒーモとイキールが静かに向き合っていた。

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