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オーガズム

「あなたの言葉には不思議な説得力があります。他の者が同じことを言っても、あなたのようにはいかないでしょう」


「まぁ、俺は世界の指導者に推薦されるくらいの男だからな」


「そういう意味ではありません。指導者としてふさわしいとか、人を惹きつける力があるとか、そういう次元ではないのです。あなたはすでに、人を超えている」


「え?」


「人間ではないということです」


「いやいや」


「あなた自身が認めるかどうかに関係なく、それが事実ですから」


 ふむ。

 まあ、魔王が言うことだから真に受けない方がいいだろう。


「わかった。とにかく、エレノアは神の山にいる可能性が高いってことだな」


「助けに行くと?」


「当然だ」


「もはや手遅れです。あれから何日経ったでしょうか。すでに聖女はマーテリアの神性を得ているでしょう。エンディオーネとマーテリア。両方の神性を手に入れた彼女は、もはや女神をも超越した存在。誰にも止められません」


 溜息を吐くしかないな。


「また世界の危機ってやつか? もううんざりだぜそんなん」


「ノームがこの世に存在する以上、女神は放ってはおきませんから」


「仮にエレノアをなんとかしても、第三第四の魔王が現れるってか?」


「ええ」


「神の山に乗り込んで、マーテリアを倒すしかなさそうだな」


 どうせエストも消滅させないといけないんだ。

 いい加減やってやるさ。


「さぁ。もういいでしょう。早く殺しなさい」


 まだそんなことを言うのかよ。


「くどいぞ。俺はお前を殺さない。エレノアの話だって本当がどうか確かめる必要があるしな」


「だったら……せめてこのおかしな術を解いてください!」


「わかったよ」


 でも生意気だから、最後に喰らわしとくか。

 俺はデコピンの要領で、アンの控えめな乳房の頂点を軽く弾いた。


「んんんんんんんんんんんんんんんんっっっっっっっっ!!!!!!!!」


 それまでで一番の嬌声をあげた。ほとんどブリッジをするみたいに体をのけ反らせる様は、まるで獣のようだった。

 そのまま気を失い、力なく倒れるアン。

 地下牢は、再び静寂を取り戻した。


「終わった、のですか?」


「ああ。有益な情報を得た。急いで地上に戻るぞ。正直、世界会議なんてやってる暇はないかもしれん」


「聖女が新たな魔王になっているかもしれないなら……考えるだけでぞっとします」


「ああ」


「ところで……魔王にかけた術のようなもの。あれは、何だったんです? ロートスが触れるだけで気を失うほど苦しんでいましたが……」


「あれか。そんな大層なもんじゃない。アンの全身を性感帯にして、感度を四千倍にしただけだ」


「……え? それって一体……きゃっ!」


 俺はコーネリアを抱きかかえて、階段を駆け上がる。


「なにを――」


「急ぐぞ。こっちの方が速い」


 千段の上り階段なんて、二秒で上りきれるわ。

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