あとがき

　こんにちは。朝食ダンゴと申します。

　このたびは『異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ～奴隷を買って魔法学園で底辺生活を送ってたらいつのまにか英雄視され美少女に囲まれてた件～』を最後までお読みいただき、心より感謝申し上げます。

　波乱万丈なロートスの半生を、楽しんでいただけましたでしょうか？

　約五年半にわたる連載に終止符を打ったことに、今はただ感慨無量の思いでいっぱいです。

　さて、本作はいわゆる「なろう系」と呼ばれるジャンルに分類されるかと思いますが、実は執筆にあたって、私自身さまざまな葛藤がありました。というのも、もともと私自身が「なろう系」に対して一定の偏見を持っていたからです。

　巷でよく言われる、「物語として浅薄」「作者の欲望が透けて見える」「どの作品も似たり寄ったり」といった辛辣な評価は、かつての私自身が感じていた印象そのものでした。

　しかしながら、Web小説界隈において「なろう系」が圧倒的な支持を得ているのもまた事実。食わず嫌いならぬ“書かず嫌い”であることにも危機感を抱き、一度思い切って「なろう系」らしさを前面に押し出した作品を書いてみようと決意しました。

　設定を練るにあたり、とあるVtuber様の動画を参考にさせていただきました。「なろう系」にありがちな設定や展開をこれでもかというほど詰め込み、それらをそのまま長文タイトルに反映させるという試みは、私にとって大きな転機となりました。

　最初は冗談半分、息抜きのつもりで書き始めた本作でしたが、連載が進むにつれて各小説投稿サイトで反響をいただき、読者がどんどん増えていきました。今までにない勢いでブックマークや評価がついていく様子は、私にとって衝撃的で、読者のニーズに応えるとはこういうことかと、深く実感する出来事でした。

　私が「なろう系」を敬遠していた大きな理由は、「テーマの低俗化」への懸念でした。「自分の求めるもの、書きたいものはそこにはない」と、どこかで決めつけていたのです。

　けれど、それはとんでもない誤りでした。

「なろう系」というだけで、有意義なテーマを描けないというのは、極めて愚かで浅はかな偏見に過ぎなかったのです。

「なろう系」とはあくまでジャンル、いわば“外装”に過ぎません。作品の本質、そしてその品質は、ジャンルによって左右されるものではないのだと、痛感しました。

　おこがましい話ではありますが、私が小説を書く理由は、読んでくださる方々に「今日を生きる力」「明日を生きる力」をお届けしたいからです。小説というツールを通じて、精いっぱいの激励を送りたい。その想いは、今もこれからも変わりません。

　そう考えると、多くの人々に広く読まれている「なろう系」というジャンルは、むしろ私の目指すところに最も合っているのかもしれません。

　長々と語ってしまいましたが、この一作を通して、私自身の「なろう系」への偏見が完全に払拭されたことは、確かな事実です。

　物語の力は、偉大です。

　それに触れた読者は、登場人物たちとともに喜び、怒り、哀しみ、時には声を上げて笑うでしょう。

　しかし、どうか忘れないでください。

　事実は小説より奇なり。

　なによりも面白く、価値ある物語はあなた自身の人生です。

　本作が、読んでくださったお一人お一人の人生にとって、ほんの少しでも何かの力となれたのなら、これ以上の幸せはありません。

　あらためまして、『異世界転生でチートを授かった俺、最弱劣等職なのに実は最強だけど目立ちたくないのでまったりスローライフをめざす ～奴隷を買って魔法学園で底辺生活を送ってたらいつのまにか英雄視され美少女に囲まれてた件～』を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

　また、いつの日か。